■情報発信者の姿勢が問われる
口コミといっても、個人による純粋に自発的なものと、企業による口コミマーケティングによって引き起こされるものがある。筆者が立ち上げたWOMマーケティング協議会は、口コミマーケティングによる口コミに対して「関係性明示の原則」を掲げているが、ソーシャルメディアに書き込む際も(書き手が有名人でも個人でも)、やはり関係性を書き込む必要があると考えている。
協議会では関係性を明示するように事業者に求めているが、現在はまだ個人のレベルでも関係性を書いている人と、書いていない人が混在している。
サイバーエージェントは、取引先に向けた文章で関係性明示を推奨していたが、協議会の口コミ規定「誰からも強要されず、発信者の自由意思が尊重される」があるために、事務所への強制やクライアントへの確約をしていなかったと述べている。文章にはその後の対策として関係性明示を徹底するとしている。サイバーエージェントが言うように、自由意思なのだから関係性明示を強制した時点で口コミではなくなる、という指摘は大きな問題を含む。
確かにブログやガイド、レビュアー、さらには情報を収集・分類するキュレーションといったサービスの運営側が、個人に対して関係性明示をお願いしても守るかどうかは分からない、さらにソーシャルメディア上の有名人であれば、運営会社以外からの商品やサービスを紹介してほしいという依頼が多く、コントロールできないという部分がある。結局、「ステマ問題」は情報発信する個人に帰結することとなる。
■事業者と個人が協力して解決すべき
消費者であり情報の発信者にもなる時代は、ステマを指摘する一方で、ステマに加担しかねない。この状況を抜け出すためにも、個人も自分の発信した情報について、責任が伴うことを自覚すべきである。
既存のマスメディアには編集方針や倫理綱領、広告審査があるが、ソーシャルメディアは個人のメディアであるために、議論されてこなかった。今後は消費者から見て分かるように、それぞれが「編集方針」や「倫理」を提示すべきだろう。事業者の倫理と情報発信する個人が協力していくことで、「ステマ問題」の解決につながるはずだ。
藤代裕之(ふじしろ・ひろゆき)
ジャーナリスト・ブロガー。1973年徳島県生まれ、立教大学21世紀社会デザイン研究科修了。徳島新聞記者などを経て、ネット企業で新サービス立ち上げや研究開発支援を行う。学習院大学非常勤講師。2004年からブログ「ガ島通信」(http://d.hatena.ne.jp/gatonews/)を執筆、日本のアルファブロガーの1人として知られる。
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アメーバブログ、ステルスマーケティング、サイバーエージェント、ソーシャルメディアの歩き方、ブログ
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