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(28時間3分前に更新) |
妊娠してから結婚する「できちゃった婚」は今どき珍しくもない。目くじらを立てるどころか、芸能人の結婚報道では、そうでない場合「妊娠はしていない」との一文が当たり前のようにくっついてくる
▼厚生労働省の人口動態統計特殊報告に「父母の結婚期間からみた出生」の項目がある。1985年までは第1子誕生のピークは結婚してから10カ月。現在は6カ月がピークで、4人に1人がデキ婚、都道府県別では沖縄が1番多い
▼英語では「ショットガン・ウエディング」と表現するそうだ。妊娠した娘の父親が彼氏に銃を突き付けて結婚を迫ったことが由来らしい。が、最近は使われないと聞く
▼フランスではそもそもデキ婚という形態が存在しない。出生の半数が結婚していない両親から生まれた婚外子で、結婚に準じた権利が与えられる事実婚が、家族の形として定着しているからという
▼日本で最終的に結婚を選択するカップルが多いのは、旧来の家族観、結婚観が色濃く残る法制度の影響もあると思う。婚外子が戸籍や相続などで差別を受ける社会では、結婚しないと子どもを持ちにくい
▼デキ婚がすんなり受け入れられる背景を、「結婚のあり方の変化」ととらえることもできるが、「婚外子への偏見が残る社会」と読むこともできる。(森田美奈子)