『今回は消費税を増税しますが、それだけではとうてい財政再建に必要な額に達しません。だから、これから5年の間に、また別の増税をすることをいまのうちに法律に明記しておきますよ』
野田政権は消費税増税を盛り込んだそばから、こっそりばれないように、次の増税に向けた布石を打っているんです」
ゾッとする話だが、前出の現役財務官僚もこう解説する。
「ポイントは『附則に明記する』という部分。これが将来の新たな増税の〝担保〟として強烈に機能するんです。どういうことかというと、野田政権が今回の消費税増税の過程で'09年に成立した税制改正関連法の附則を利用したことに注目して欲しい。その法案の附則には『消費税を含む税制抜本改革を行うため、'11年度までに必要な法制上の措置を講じる』と書かれていたんです。そして野田総理はそれを根拠に『こう法律に書かれているんだからやらざるを得ない』という方向で議論を進めていった。
附則は人目につきにくいから法律にも入れ込みやすい。これから野田政権が作る改正法案にも『5年の間に何らかの税制措置を講じる』とかいう文章がひっそりと盛り込まれ、それが将来の増税時に『法律に書かれているじゃないか』と、同じように利用されるわけです」
そして次の増税の一番のターゲットと噂されているのが、我らの「資産」だということだ。
見てきたように、あり余る資産を持つカネ持ちはすでに「自己防衛」しているが、もっとも割を食うのは所得も資産もごまかせない中高年やサラリーマンである。
戦前の資産課税は「富の集中排除」が目的だった。しかし今はまったく逆の結果を生むことになる。
財務省に操られている〝パペット佳彦〟の耳には、庶民の声はまず届かない。新たな大増税の号砲が鳴り響く日は、もう、すぐそこだ。
「週刊現代」2012年3月3日号より
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