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【社会】

原発工事3億円受注 「大飯」立地町長の長男企業

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 関西電力大飯原発の立地する福井県おおい町の時岡忍町長(74)の長男(42)が社長を務める鉄工会社が二〇〇八〜一〇年度の三年間、関電やその関連会社から工事を少なくとも三億円受注していた。本紙の調べで分かった。大飯原発3、4号機をめぐっては、国の原子力安全委員会が再稼働の前提となる安全評価(ストレステスト)を審査中。政府は再稼働の是非を決める際、地元の意向を聞くとしており、町長の判断がカギを握ることになっている。

 会社はおおい町に本社を置く「日新工機」で時岡氏が町長就任前の一九八八年に創業。関係者によると、九六年に長男が社長に就いたが、時岡氏は現在も取締役を務めている。

 同社が県に提出した工事経歴書によると、関電や子会社の関電プラントなどから受注した工事は、大飯原発のポンプ修繕や点検など三年間で計四十件、金額にして三億一千二百万円。このうち、関電からの直接受注は十四件、二億三千百七十万円だった。

 年間三億五千万円前後の売上高に占める割合は平均三割ほど。ただ、民間調査会社の帝国データバンクによると、県の工事履歴以外にも関電関連の受注があり、実際は「全売上高の九割近くを占める」(担当者)とみている。

 時岡町長は本紙の取材に「今は(経営に)直接かかわっていないが、(業務は)原発オンリーです」と認めた。大飯原発3、4号機の再稼働に対する判断への影響では「それは関係ない。あったら大変なことになる」と否定した。

 関電原子力事業本部は「一定の基準を満たす取引先を公平に審査、登録し、工事内容に最適な取引先を選定して契約を行っている」と話している。

 時岡氏は九九年に旧大飯町長に初当選。合併で誕生した初代おおい町長になり、現在三期目。原発政策には推進の立場だが、再稼働問題では「国の動向を注視する」と慎重な発言をしている。

 

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