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【静岡】

島田の自治会長 がれき視察 40人が岩手訪問

雪の中、がれきの放射線量を測る島田市の自治会長ら=25日午後、岩手県大槌町で

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 岩手県大槌、山田両町の震災がれき(木材チップ)受け入れを検討する島田市の自治会長らが25日、がれきの処理状況や被災地の現状を確認するため、両町を訪れた。

 自治会長68人のうち、ごみ処理施設がある伊太区、最終処分場がある谷口の両自治会長を含む市全域から40人が参加。桜井勝郎市長や市幹部、市議ら13人も同行した。

 両町は陸中海岸にあり震災の津波で壊滅的な被害を受けた。山田町は35万9000トン、大槌町は66万9000トンのがれきが発生。それぞれ通常の67年分、118年分もの膨大なごみの量に相当するため、広域処理での支援を訴えている。

 一行は、両町のがれき選別処理施設を訪れ、国や岩手県、町から説明を受けた。大須賀隆自治会連合会長(77)は「放射線量などのデータは安全と分かっていたが、報道と違ってあまりのがれきの量に圧倒された。これは手助けしないと」と話していた。

雪に埋もれ処理進まず

 季節外れの大雪で、辺りは白一色。だが目を凝らすと、雪原には家屋の土台が埋まり、奇妙なでこぼこは廃車の群れ、うずたかい雪山は寄せ集められたがれき…。雪景色の下に荒涼たる風景が広がっていることが、容易に想像できた。 (浅野宮宏)

 「むごいな」「あれもがれきだ」−。大槌、山田両町を訪れた島田市の自治会長一行は、移動バスの車窓から見える光景に驚きをあらわにした。

 大槌町大槌の2次仮置き場では佐々木彰副町長らが、一向に進まないがれき処理の現状を報告。岩手県の黒田農(あつし)特命課長は「沿岸の水産加工場などではがれきが積まれたまま。処理しないと産業復興はなく、生活再建もない」と訴えた。自治会長らはがれきの空間線量率を測り、安全を確認。山田町では沼崎喜一町長自らの歓迎を受けた。桜井勝郎市長は沼崎町長に「島田は茶産地。関東、東北で7割が消費されており、何としてもお返ししたい」と受け入れに意欲を示した。

 ごみ溶融処理施設がある伊太区の佐藤博海会長(73)は「非常に驚いた。これは何とかしてやらないと」。最終処分場近くの地区の男性会長(67)は「受け入れたいとの思いが強くなった。最近は反対も減ったし」と漏らした。大須賀隆連合会長は「この状況を島田に帰って説明したい」と話した。

 大槌町上地区のコンビニ店経営女性(65)は「津波で家も店も流され、今は仮設住まい。がれきを見ると気がめいる。島田市が受け入れてくれると、本当にありがたい」と話していた。

 

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