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国との意見交換会、3町長欠席 「国は一方的 恐ろしい」
| 記者会見で「国との信頼関係に問題が生じた」と主張した井戸川双葉地方町村会長=26日午後3時15分ごろ、埼玉県加須市の双葉町埼玉支所 |
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福島第1原発事故の処理に向けた国と地元町村の意見交換会が26日、突然中止になった。原発立地町で双葉地方町村会長の井戸川克隆双葉町長らが政府対応を批判して欠席し、会合が成立しなくなった。井戸川町長の「ドタキャン劇」は事故処理をめぐる政府の対応のまずさに加え、双葉郡8町村の足並みの乱れも浮き彫りにした。
「抗議の流会と受け取ってもらって構わない」。井戸川町長は26日、避難先の埼玉県加須市で緊急の記者会見を開き、政府の対応を批判した。 井戸川町長が問題視したのは、中間貯蔵施設の建設予定地を国が震災前の価格で買い上げるとした政府提案や、東日本大震災前に東京電力などが文部科学省に働きかけて津波の想定を書き換えさせたとする報道。 井戸川町長は「丁寧な議論をしたいと思っていたのに、政府が一方的に決めていくのは恐ろしい。こちらが聞いていない話が次々に出てくるようでは、首長として住民に説明責任が果たせなくなる」と語った。 意見交換会は郡山市のホテルで開催予定だったが、双葉郡8町村のうち、双葉、広野、浪江の3町長が欠席した。 欠席した山田基星広野町長は「大事なことを決めようとするとき、政府から相談もなく報道で知らされるのは、(原発事故の)屋内待避のときからずっとだ」と語り、不快感を示した。 一方、会議に出席した首長からは井戸川町長の手法に批判の声も上がった。遠藤勝也富岡町長は「8町村の足並みが乱れて残念。一方的に欠席するのは許せない」と話した。 先月31日に帰村宣言を出し、帰還に向けた準備を進める川内村の遠藤雄幸村長は「政府に不信感があったとしても中間貯蔵施設の問題をないがしろにはできない。置かれている状況は町村ごとに違うが、逃げてはいけない」と強調した。
2012年02月27日月曜日
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