高根沢町の国道4号から道を1本入った田んぼの真ん中に、1軒のログハウスが立っている。会社勤めを退いた夫婦が、第二の人生として自宅でパンの店を開いてもうすぐ10年、材料と製法にこだわった味が支持され、県内外からお客さんが引きも切らない。
同町大谷でパン店「レイポモ」を営む綱川勝さん(58)と妻の弘子さん(54)は以前、ともに宇都宮市の工業団地にある大手電機メーカーでテレビを造っていた。弘子さんの弁当は「胃にもたれないから」いつもパン。休日はパン教室に通うパン好きだった。
日本を代表する家電ブランド企業だったが、バブル崩壊後は景気低迷から脱しきれず、2001年9月、希望退職の募集が始まった。残っても事実上、仕事はない。50歳を前に退社を余儀なくされ、途方に暮れた2人に、当時高校生だった長女が言った。「お母さん、パン作るの好きなら、パン屋やれば?」
弘子さんは知人からパン作りの師匠を紹介され、夫婦で埼玉県飯能市まで通った。粉の配合から温度管理、材料の選び方まで徹底的に仕込まれ、自宅のガレージを改装して02年4月、フィンランド語で「パン屋」を意味する店をオープンさせた。
「こんな何もない所で大丈夫か」と弘子さんは不安だったが、水田地帯に出現したログハウスが目を引いて、次々と人が来た。
パン生地は焼く前の日から仕込んで12時間寝かせる。当日朝にこねる製法に比べて発酵の際に出るアルコールが抜け、焼きたて時に小麦の香りが引き立つという。食パンに北海道産の高級小麦粉「はるゆたか」、スコーンにベルギー産の発酵バターなど材料も厳選。流行は追わず、メニューは8種類に絞っている。
「ここにしかないものを作ればお客さんは来てくれる」。開店時に師匠に励まされた言葉を、弘子さんは実感している。フランスパンは予約分だけで売り切れることもしばしば。甘いドライフルーツを練り込んだ大型のパネトーネ(1370円)は、12月は約200個が売れた。「いいお客さんに囲まれて幸せ。これからもいいものを長く食べ続けて頂きたい」
営業時間は午前10時〜午後7時。月、火曜日は定休。できるだけ電話(028・675・5636)で予約を。(吉野太一郎)
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