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きょうのコラム「時鐘」 2012年2月26日
大陸(たいりく)から離(はな)れた島の動物が小型化するのを「島嶼(とうしょ)化」という。外敵(がいてき)がいなく食べ物が少ないので、早く成長する必要があるからと説明されている
アフリカ大陸から離れた島国のマダガスカル北部の小島で極小(ごくしょう)のカメレオンが見つかった。成長しても3センチにもならないという。大きな島からさらに小さく分かれた島で起きた特殊(とくしゅ)な小型化だとみられる ゾウやトラなどでも同じ変化がおきるという。これが人にも当てはまると日本や英国は困(こま)ったことになる。島国の人間は「小粒(こつぶ)」と言われかねないからだ。そのような直接的な指摘(してき)はないが「島国根性(しまぐにこんじょう)」という差別的(さべつてき)な表現は昔からある 最近の政治家を見ていると「島嶼化」は当たらずとも遠からずの気分になりかねない。政党(せいとう)は分裂(ぶんれつ)を繰り返し、議員は成長する前に淘汰(とうた)されていき、首相はころころ代わる。これも一種の「カメレオン現象」なのかもしれない 国民の背丈(せたけ)に合わせた政治家しか育たないとも言うが、政治家を育てる最大の「環境(かんきょう)」は有権者(ゆうけんしゃ)だ。時間とともに大きくなる政治家を育てるためには有権者の側の環境づくりも必要なのだろう。 |