自民党の杉村太蔵衆院議員（２９）の公設第２秘書の男性（２５）が２８日、川崎市の自宅で首をつった状態で見つかった。自殺を図ったとみられる。病院に運ばれたが意識不明の重体。杉村氏は０５年の衆院選で比例南関東ブロックで当選した“小泉チルドレン”だが、次期衆院選での選挙区は未決定。そんな中での側近の自殺未遂は杉村氏の活動に影響を及ぼす可能性もある。

　同居している家族が男性の異変に気付いたのは２８日午前０時４０分ごろ。神奈川県警によると、川崎市中原区の自宅２階のドアノブにひもをかけて首をつっていたという。救急隊員が駆け付けた際、母親とみられる女性が心臓マッサージをしていた。中原署は自殺を図ったとみているが、遺書などは見つかっておらず、動機は不明。

　男性は杉村氏が議員になる前からの知人。ボランティア活動を通じて知り合い、杉村氏の当選後は大学に通いながら事務所スタッフとして、運転手などを務めていた。いったん事務所を離れ、一般企業に就職したが、今年３月に私設秘書として事務所に復帰し、その後、公設第２秘書になった。２７日も東京・永田町の事務所に来ており、変わった様子はなかったという。杉村氏の事務所は「この件についてはコメントできない」としている。

　男性の祖父は慶応大の教授で、父も教育関係の仕事をしている。おとなしく、まじめな性格で、長髪の似合うさわやかな“イケメン”。ただ、友人によると「１人で抱え込むタイプだった」。

　杉村氏は次期衆院選で出馬を希望した北海道１区の党公認候補争いで、会社役員の長谷川岳氏に敗れ、選挙区は未定のまま。杉村氏は「無所属でも北海道１区から出馬する」と国替えの意思はなく、分裂選挙になるのは必至の情勢だ。

　現在、札幌市中央区に事務所を構え、選挙に向けた地盤固めを進めている最中で、数日前に帰京。この日は都内に滞在していたとされる。関係者によると、事務所開設後、男性は北海道に滞在することが多く、事実上の現地スタッフとして勤務。杉村氏に同行し、北海道と東京を頻繁に行き来していたという。それだけに、選挙活動への影響も懸念される。

[ 2008年08月29日 ]