府内の公立高校の前期入試が23日、実施された。総募集人員1万4410人に対し、2万3176人が受験した。学科別の受験者数は、普通科単位制1755人(定員1160人)▽専門学科17406人(同10600人)▽総合学科4015人(同2650人)。合格発表は3月1日。
全体的な出題傾向として、大阪の中学生は基礎・基本の定着とともに知識を活用する力にも課題があるため、思考力や判断力、表現力を問うよう工夫した。府教委が発表した出題の狙いの概要は次の通り。【田中博子】
文理学科は、物理学の進歩についての文章から筆者の考えを読み取る力を見た。小論文はノーベル物理学賞を受賞した益川敏英博士の著作を取り上げた。それ以外の学科では、長文を内容ごとに分割して要旨を考えさせた。
文理学科など8学科対象のB問題では、メディアから得る情報についてのスピーチを題材に、文章の流れを把握する力や英語で表現する力を問うた。A問題は大阪・中之島の町並みについて、地図を参考に英文を読み取る力を試した。
文理学科など4学科対象の問題では、長方形と二等辺三角形を題材に、数学的に推論する力などをみた。それ以外の学科対象の問題では、エレベーターの扉の開く様子から、数学的な見方を活用する力や関数関係を調べる力を問うた。
生物、物理、化学、地学から1題ずつ出題した。地学では、日食や月食が月の公転運動とかかわって起こる現象であることについて、科学的にとらえて表現する力を試した。物理では光の性質をテーマに、科学的思考力をみた。
地方財政についての問題では、複数の資料を読み取り、表現する力を問うた。地理では世界地図に赤道を書き入れる問題が出題された。公民では基本的人権について、近現代史と関連づけて理解できているか問うた。
毎日新聞 2012年2月24日 地方版
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