放射線測定器の弱点

放射線測定器の弱点等について
1.PDR−101の場合

(1)導電性物質がばら撒かれたり塗られたりして、電子回路に付着した場合

 PDR−101には、検出器に光電子増倍管が使用されており、これに高電圧を印加してガンマ線を検出している。導電性物質がばら撒かれると漏電が起きて印加電圧が低下して、光電子増倍管の感度が低下して出力信号が小さくなり、ガンマ線の測定値が低下する。この装置の弱点である。実際に、導電性物質が電子回路に付着して感度が低下し、自然界のガンマ線が測定出来なくなり、強いガンマ線で狙われていない時には、測定値が0.000μSv/hになった。測定器の感度が低下する為に、エネルギーの高いガンマ線しか測定出来なくなった。


(2)絶縁性物質がばら撒かれたり塗られたりして、電子回路に付着した場合

 PDR−101の場合はスピーカーと電子回路の接続にスプリングが使用されており、接点に絶縁性物質が付着すると、スプリングとスピーカーの接点で接触不良が起き、これが雑音源になって、電子回路の雑音が増加して、装置が雑音処理(ゼロサプレス機能)に追われ、実際の測定時間が減少して、測定値が小さくなる。特にスピーカーの音を切った場合に、この現象が著しく現れる。
 スピーカーの音は、スプリングの接点で接触不良が起きていない時はピンピンピンで、接触不良が起きた時の音はピーピーピーと鈍い音に変わる。これは、接触不良が起きた為に、電気信号の電圧がある程度高くならないと電子回路が繋がらない為に、実際にスピーカーに届く電気信号が変化する為です。私が持っているPDR−101は、一度これを経験したので、絶縁性物質をばら撒かれても、測定値が小さくならない様に改良してます。


(3)携帯電話の影響等について

 PDR−101は、携帯電話の電波では誤動作しません。誤動作するのは、装置の液晶画面に携帯電話のアンテナを密着して発信したときだけです。2001年9月に実験しました。


(4)特徴

 長所: 高感度、小型、軽量(約220g(電池含む))
 短所: 電池1本で100時間程度動きますが、電池が特注品で高価。1本が
      約1500円する。


2.TGS−133の場合

(1)導電性物質がばら撒かれたり塗られたりして、電子回路に付着した場合

 TGS−133には、検出器にGM管(ガイガーミュラー管)が使用されており、これに高電圧を印加してベータ線やガンマ線を検出している。導電性物質がばら撒かれると漏電が起きて印加電圧が低下し、GM管の感度が低下して出力信号が小さくなり、ベータ線やガンマ線の測定値が低下する。この装置の弱点である。


(2)絶縁性物質がばら撒かれたり塗られたりして、電子回路に付着した場合

 スピーカーの音が少し変化するが、現在のところ特に問題は起きていない。


(3)携帯電話の影響等について

 TGS−133は、携帯電話の電波では誤動作しません。2007年11月に実験しました。また、この装置は検出器の出力信号を増幅した後、直ぐにモニター用のスピーカーに出力している為、細工が難しい構造になっている。この装置にもNEC製のシステムLSIが使われている。


(4)特徴

 長所: 市販の単2乾電池が使用でき、電池4本で約100時間稼動する。
 短所: ガンマ線に対する感度はPDR−101より劣る。
      重たい(1760g(電池含む))



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