東京電力福島第一原子力発電所上空の飛行禁止区域が半径3キロに縮小されたことから、26日午前、NHKのヘリコプターが原発近くの上空を事故後初めて飛行しました。上空からは水素爆発で骨組みがむきだしになった原子炉建屋がはっきりと確認でき、原発の専用港では放射性物質が沖合に広がるのを防ぐため、海底をセメントで覆う工事が進められていました。
福島第一原発上空の飛行禁止区域は、これまで半径20キロとされていましたが、国土交通省が上空の放射線量を測定した結果、飛行の安全性に問題はないと判断し、25日から半径3キロに縮小されました。NHKのヘリコプターは、26日午前、福島第一原発からおよそ4キロの高度700メートル付近を事故後、初めて飛行しました。
上空からは水素爆発を起こした3号機の原子炉建屋の骨組みがぐにゃりと曲がっている様子や、爆発で壁が崩れ落ちた4号機の原子炉建屋の中から格納容器の黄色い上ぶたがむきだしになっているのがはっきりと見え、建屋の5階付近を黄色い防護服を着た作業員が歩いている姿も確認できました。一方、原発の専用港では、クレーンがついた作業船の上に白い防護服を着た10人ほどの作業員が乗り込み、海底の泥に含まれる放射性物質が沖合に広がるのを防ぐため、海底をセメントや粘土で覆う工事が進められていました。
福島第一原発は、去年12月に政府が冷温停止状態を宣言したあとも、先月から今月にかけて原子炉の注水ポンプや配管などで水漏れが相次いでいますが、原発の敷地西側には汚染水を保管する灰色や青色の鋼鉄製のタンクおよそ1000基が立ち並び、大量の汚染水を処理する困難な作業の一端がうかがえました。
[関連リンク] |
|