記事の見出しへ

記事の検索へ

社会

山口組で条例逃れの動き 県警、活動潜在化に警戒 

記事を印刷

 全国で施行された暴力団排除条例を受け、指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)が、条例による規制を逃れる動きを見せている。破門状は印刷せずファクスで送ったり、中元・歳暮は自粛したりするほか、幹部である直系組長を対象に、条例の影響を問う「アンケート」を実施。組側が今後の活動方法を模索しているとみられ、兵庫県警は動向を注視している。

 兵庫県は2011年4月に同条例を施行。企業や市民が暴力団の活動を助長すると認識しながら、利益供与することを禁じ、そうした行為が判明すれば、暴力団とともに勧告の対象となる。同年10月には全都道府県で条例が整った。

 条例に合わせて、兵庫県内では昨年5月、県百貨店協会が暴力団組織名での中元や歳暮の注文を断ることを決定。昨年秋には、県印刷工業組合が組名や代紋の入った破門状などの印刷物を取り扱わないことを決め、県神社庁も県内約3800の神社に集団参拝を断るよう要請した。

 こうした業界の方針を受け、山口組は破門状などは大量に印刷せずファクスで送るよう通達し、中元や歳暮も自粛。また、今年の元日は、総本部近くの神社で毎年行う集団参拝も取りやめ、篠田建市(通称・司忍)組長(70)ら数人の幹部が一般客の列に並び参拝した。

 さらに、捜査関係者によると、今年に入り、同組が全国の直系組長約80人に、条例施行後の変化などを尋ねる用紙を配ったとみられる。組員の家族への影響や今後の活動の方向性などを問う内容という。

 暴力団排除をめぐっては、警察庁が1月、関係を絶とうとする企業などへの襲撃を繰り返す暴力団の規制を強化する改正暴対法の骨子案をまとめた。兵庫県警幹部は「暴力団の包囲網は確実に狭まっている。しかし、規制を逃れようとして、活動の潜在化が進む可能性もある」と警戒を強めている。

(2012/02/26 07:35)

  • 神戸洋菓子職人
  • ネットストアさいころ2
  • ニュースポート・神戸新聞報道展示室
  • Live! VISSEL
  • 兵庫の高校野球
  • 駅伝2011
  • ミントミュージアム・バナー
  • いまもえjp
  • JAZZ
▲このページの先頭へ