ザック初招集　１９歳 宮市にゾッコン　「将来は大物になると感じた」

　日本サッカー協会は２５日、ワールドカップ（Ｗ杯）ブラジル大会アジア３次予選のウズベキスタン戦（２９日、豊田）の代表メンバー２３人を発表し、イングランド・プレミアリーグのボルトン所属で、１９歳のＦＷ宮市亮＝写真、共同＝が初選出された。１９９３年のＪリーグ発足後、日本の高校から直接欧州クラブに加入して日本代表入りを果たしたのは初めて。欧州組は１１人で、乾貴士（２３）＝ボーフム＝がザッケローニ政権では公式戦初招集となった。なお、日本、ウズベキスタンとも同最終予選進出が決まっている。

　別格−。ザッケローニ監督が語る宮市への期待度は“本物”だ。宇佐美、久保、柴崎。「代表の雰囲気を体験させるのが目的」だった１０代の有望株とは明らかに違う。

　「昨シーズンのオランダでの活躍、今はボルトンでも順応している。これまでのケースよりも、もう一歩前に行っている。（代表で）プレーするチャンスはある。最近の試合を見て将来は大物になると感じた」

　宮市は本場欧州で実績を残した。２０１０年に愛知・中京大中京高から、イングランド・プレミアリーグの名門アーセナルへ。昨季は期限付き移籍したフェイエノールト（オランダ）で１２試合３得点を挙げ、今季は、今年１月にアーセナルからボルトンに期限付き移籍。２月１８日のＦＡ（イングランド協会）杯、ミルウォール戦で初先発し、初得点を決めた。

　指揮官は喜々として言う。「ボルトンでの活躍は目を見張るものがある。短い距離でも長い距離でも速いスピードで走れる。サイドで生きる」。手薄なサイドアタッカー、喉から手が出るほど欲しい人材。高１で５０メートル５秒８を記録した天賦の才に相好を崩した。ウズベキスタン戦で初出場すれば、１９歳７７日で日本代表史上８位の年少記録となる。高校卒業後に直接欧州クラブに加入した“逆輸入”の切り札が、地元・愛知で目映い光を放つ。

　　（占部哲也）