松本との練習試合でパスを出す名古屋グランパス・磯村(左)=トヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスは25日、トヨタスポーツセンターでJ2松本と練習試合(45分×3本)を行い、1−1で引き分けた。前日の日本代表アイスランド戦から合流したMF磯村亮太(20)も、2本目途中から3本目途中まで44分間出場。視察に訪れたU−23日本代表の関塚監督の前で、積極的なプレーを見せた。A代表で得た経験を胸に、若武者がチームでのレギュラー奪取と五輪本大会出場を期した。
ザックジャパンの青から、グランパスの赤へ。なじみのユニホームに戻った磯村が、関塚監督の見守る“御前試合”で急成長を見せつけた。本人は視察に気付いていなかったが、関塚監督は常連のFW永井だけでなく磯村とFW金崎のプレーにもメモを取るなど、注目していた様子。最終予選突破後の五輪本大会メンバー入りへ、積極的なプレーを代表指揮官のノートに刻み込んだ。
疲労のピークだったが、自然と体は動いた。2本目21分に永井に代わって出場すると、幅広いポジショニングで攻守に積極的に絡んでいく。「ヤットさんや憲剛さんはボールを触る回数が多い。それは意識していた」と、代表で感じた課題をすぐに実行した。同38分には自らドリブルで切り込み右足シュート。これはDFに当たりCKとなったが、MF小川が「代表に行って自信もついただろうし、より前に行く姿勢を出していた」と話したように、チームメートも変化を感じとった。
出場できなかったアイスランド戦後、ザッケローニ監督からは「若いし、将来性もある。向上心を持ってやっていけば上に行ける」と声をかけられた。そのステップアップの手始めが、ロンドン五輪だ。これまで五輪代表とは縁がなかったが、A代表監督が推している以上、関塚監督も注目せざるをえない。磯村も「日本を代表して戦うというのはすごいことだと思ったし、自分もそういう場に立ちたい。選ばれたい」と、はっきりと五輪への思いを口にした。
心身ともに濃密な6日間を終え、「疲れました。ようやく明日休めます」と笑った磯村。それでも暗くなるまで残っていたファン約40人のサインや写真に応じた。自分のため、応援してくれる人のため、そして青いユニホームを再びまとうため、まずはグランパスでのレギュラー奪取に死力を尽くす。 (宮崎厚志)
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