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一般ごみ:14自治体・組合、最終処分拒否される 「放射能不安」で

 東京電力福島第1原発事故の影響で、関東近県にある少なくとも14の自治体・事務組合が、放射能の不安を理由に最終処分業者から一般ごみの焼却灰の埋め立てを拒否されていたことが、毎日新聞の全国調査で分かった。震災がれきの広域処理には最終処分場の確保も大きな課題だ。

 調査は深刻な震災被害を受けた岩手、宮城、福島と、国にがれき受け入れを求められていない沖縄を除く43都道府県に対し1月下旬~2月上旬に実施。少なくとも25府県が一般廃棄物の処理後に生じる焼却灰を他県に搬出し最終処分していた。さらに静岡、埼玉、千葉、栃木、群馬、茨城の計6県が焼却灰の受け入れで「業者に制限を受けた」と答えた。

 このうち千葉県は、国が定めた埋め立て基準1キロあたり8000ベクレルを上回る焼却灰が出て処分を断られたが、静岡県牧之原市と御前崎市の広域施設組合は、最高で234ベクレル(11年9月現在)だったのに三重県の業者から「放射能汚染の可能性があり、静岡の灰を受け入れることに地元の了解が得られない」と拒否されたという。

 静岡県富士宮市は県外の業者から「震災がれきを受け入れたら、放射性物質濃度の基準を5000ベクレルから500ベクレルに厳しくする」と言われたといい、須藤秀忠市長は「震災がれきを引き受けると、自分たちのごみすら行き場がなくなる」と懸念。震災がれき受け入れを自治体などに要請・検討していると回答した17都府県のうち、11府県が「最終処分場の確保が課題」と答えた。【まとめ・平林由梨】

毎日新聞 2012年2月26日 東京朝刊

 
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