【原発の不都合な真実】料金制度が支えた原発建設-原発を造れば造るほど、電力会社は儲かるというからくり
これまで述べてきたように米国や英国では、政府が原発推進政策を堅持していても、高騰する建設費などの初期投資の大きさや投資が回収できるまでのリスクの大きさから電力会社や投資家が原発建設に二の足を踏んできた。それではなぜ、日本では原発の増設がこれほどまでに進んだのだろうか?
理由はさまざまだが、一つには「レートベースに基づく総括原価方式」という日本の電気料金制度があることが指摘されている。「現行の日本の電気料金制度では、原発を造れば造るほど、電力会社が儲かる仕組みになっている」と言われているのである。
電力料金制度は実に複雑な制度である。日本の場合、後で述べるように、電力自由化が進んでいる「自由化部門」の「自由化料金」と、自由化されていない小口、つまり家庭用の「規制料金」の二つがある。ここからは家庭用の「規制料金」の話だ。
総括原価方式とは、発電と送電にかかったすべての費用、つまり「必要とされた原価」に一定の事業報酬を加えて料金を設定する制度である。政府の資料を見ると、下図のような式が記されている。
[総収益]=[総括原価]=[適正費用]+[公正報酬(事業報酬)]=[営業費+減価償却費+諸税・・・]+[レートベース(事業資産)×報酬率]
そして「この式が成り立つように、料金を設定する」となっている。
大規模なインフラ投資などを必要とされる電気事業では、この制度によって、安定的に費用の回収ができるため長期的な設備投資ができるようにするべきだ、というのが総括原価方式を導入する理由だ。
一つの問題は「適正費用」とされているものが、本当に「適正」であるのか、という点だ。もう一つは事業報酬が本当に「公正な報酬」であるのかという問題がある。
まず、後者から見てみよう。
電力会社の事業報酬は「レートベース方式」という手法で定められることになっている。上の式から分かるように「レートベース」というものに、一定の報酬率、つまり電力会社の儲け率を掛けて料金を決めることになっている。報酬率は年によって違うのだが、3・5%前後。
この制度は、発電所の建設をどんどん進めることが社会的な要請になっていた高度成長期の1960年に決められた古い制度なのだが、50年間、一回も見直されていない。
それではレートベースとは何だろうか?レートベースは「電力事業を行うのに必要な資産が持つ価値だ」と説明される。具体的には、固定資産、建設中資産、核燃料資産、運転費などの総計で、研究開発費や資源探査などの「特定投資」と呼ばれるものも含めていいことになっている。
建設中資産とは、「電力需要を満たすために必要」と、電力会社が判断して建設を始めた発電所の資産価値のことで、レートベースにはその半額を算入していい。
報酬率は一定でも、レートベースが大きくなれば事業報酬は大きくなる。逆にレートベースが小さくなれば報酬も小さくなる。つまり、同じ発電所を造るなら、巨大な資金を必要とする原発を建設した方が「レートベース」も大きくなる。さらに核燃料所有額までも「レートベース」に組み入れることができる原発は、火力発電所などを建設するよりも、事業報酬も大きくなるということになるのだ。
しかも、核燃料所有額の中には、原子炉に装荷する前の核燃料や、原子炉で燃やし終わって保管している使用済み核燃料も「資産」として含まれることになっているので、原発が増えて、必要な核燃料や、使用済み核燃料の量が増えることが、報酬アップにつながるということになる。これが「原発を造れば造るほど、電力会社は儲かる仕組み」の一つである。(続く)
福島原発に関して、しきりと東京電力だけに責任問題を押し付ける流れが新聞、テレビ、マスコミでやられているが、これっておかしいね。原発を推進している或いはして来た、国、行政、原発会社、東電の大株主(銀行を筆頭に、東京都、福島県、福島の市町村、その他大企業等等)も東電と同等の責任があると思います。今の内閣は東電だけに責任をおっかぶせて逃げ切るさんだんをしている、これに乗せられてはいけない。
投稿者 匿名 : 2012年02月23日 09:30
・電力会社は自分の会社が潰れるなんて想定していない。(必ず救済されるときっと思っている。事実現状ではそうでしょう。)
・率が一定で母数が増えれば掛け算の結果、絶対額は増える。(売上)
・"値上げは権利"などと言っている人達が常識的な判断や正常な思考回路を持ち合わせているとは思えない。
・仮に権利があるとしても、権利は義務とワンセット。一円でも安く、良質で安定した電力を提供することが電力会社の義務なのでは?
・社内預金の利息を原価に含めるとか、明らかに義務を果たしていない。今時社内預金なんかやっている民間会社がどれだけあるのか?
投稿者 DNRYKKISYKSKRE : 2012年02月23日 08:36
少子高齢化、低成長時代になり、保護産業や規制産業、行政機関を国民が支えきれなくなってきています。
いい加減、人の財布に手を突っ込んで金を盗んで行くのは止めたら?
投稿者 SKM48 : 2012年02月22日 20:16
利益率が保証されるかわりに頭打ちという状況で、
巨大なリスクを抱え、巨額の借金をして(一リスクですが)、
投資するというのは不思議な話ですね。
利益率が不変ならリスクを冒して肥大化するメリットは
殆どなく、通常の経営判断ならGOがかかるとは思えません。
本当に事業報酬を大きくすること(そこに電力会社にどういう
メリットがあるのでしょうか)を指向したものなのでしょうか。
この矛盾を解説してください。
さもないと、再び、間違った道へと歩むやもしれません。
投稿者 或誤阿 : 2012年02月20日 15:36
おれの給料も総括原価方式とやらだとよくなるのかなぁ。
投稿者 匿名 : 2012年02月20日 01:06
早く原発止めようよ!
日本政府も経団連も狂ってるし。
ゴミも資産、変だ!
こんなの合法詐欺だ!
国民は騙されてる!
ついでに、「食べて応援」て、
どこまで東電支援なんだよ?
それ、中間業者が儲かってるだけじゃん。
東電に補償させなさい!
投稿者 坂本 : 2012年02月19日 14:11
福島原発に関して、しきりと東京電力だけに責任問題を押し付ける流れが新聞、テレビ、マスコミでやられているが、これっておかしいね。原発を推進している或いはして来た、国、行政、原発会社、東電の大株主(銀行を筆頭に、東京都、福島県、福島の市町村、その他大企業等等)も東電と同様に責任があると思います。今の内閣もそうですが、新聞テレビマスコミは東電だけに責任をおっかぶせている。
投稿者 匿名 : 2012年02月24日 01:26