大阪市阿倍野区の路上でネパール人の飲食店経営、ビシュヌ・プラサド・ダマラさん(42)=同市住吉区=が殺害された事件を受けて25日、同市中央区の法善寺境内にある水掛不動尊前で追悼会が開かれた。浄土宗の僧侶が呼び掛け、日本に住むネパール人ら約200人が参加、ダマラさんの遺影に合掌して冥福を祈った。
追悼会は大阪府忠岡町の正念寺と法善寺の住職2人が「ダマラさんを弔い遺族の心を癒やしたい。日本とネパールの友好関係を後退させてはならない」と訴えて開催。ネパール商工会議所日本事務所も協力した。僧侶約30人が駆け付け、お経が響き渡る中、参加者は焼香して手を合わせた。遺族への弔慰金を募る箱が用意され、ネパール料理も無料で振る舞われた。
法善寺の神田眞晃(しんこう)住職(58)は「大阪は人情の街のはず。このような事件が二度と起こらないよう、お誓いすることが供養の第一歩になる」と話した。
ニュースで事件を知って参加した兵庫県尼崎市の自営業、大野悦子さん(64)は「日本人として悲しく恥ずかしい事件。大切なはずの命が軽く扱われる世の中になってしまったような気がする」と語った。【深尾昭寛】
毎日新聞 2012年2月25日 20時51分(最終更新 2月25日 22時09分)