2011年12月31日 11時15分 更新:12月31日 11時20分
【テヘラン鵜塚健】原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を巡り、米・イラン関係が緊迫している。米国が原油禁輸制裁を発動した場合の「ホルムズ海峡封鎖」の可能性にイラン高官が言及し、これに米政府が反発して非難合戦に発展した。ホルムズ海峡ではイラン海軍が軍事演習中だが、米軍が付近に空母を派遣するなど、けん制し合っている。
イランの核兵器開発疑惑を巡り、米上院が今月15日に新たな対イラン制裁法案を可決。制裁が発動されれば、原油輸出が激減し、イラン経済が大打撃を受ける恐れがある。
イランのラヒミ副大統領は27日「制裁を発動すれば一滴の原油もホルムズ海峡を通れなくなるだろう」と発言。サヤリ海軍司令官も28日「海峡封鎖はコップの水を飲むより簡単だ」と挑発した。これに対し、米国防総省が28日「海峡での船舶の通航妨害は容認できない」と非難すると、イラン革命防衛隊幹部は29日「米国は我々のやることに口をはさむ立場にない」と切り捨てた。
ホルムズ海峡ではイラン海軍が24日から10日間にわたり演習中。