2011年12月31日 10時57分 更新:12月31日 18時47分
8割の人が東日本大震災のような地震がいつ起きても不思議ではないと考えている中、震災後も自然災害への備えを変えていない人が46%に上ることが、毎日新聞が実施した世論調査で分かった。震災を受けて災害への危機意識が高まる一方、備えの必要性への理解は浸透していない状況が浮かび上がった。備えを変えていない人の割合は東北から遠い地方ほど高い傾向にあり、震災への実感の差が数字に表れたとみられる。
震災のような地震が日本で起きる可能性について三者択一で聞いたところ、(1)「いつ起きても不思議ではない」81%(2)「(政府の機関が災害発生の目安としてよく挙げる)30年以内には起きると思う」13%(3)「当分は起きないと思う」4%--の順だった。
震災を受け、自然災害に対する備えを強化したかを尋ねた質問への回答は「ある程度強化した」と「特に変えていない」がともに46%で「かなり強化した」は8%にとどまった。
「特に変えていない」と答えた人を地域別に見ると、近畿、中国・四国、九州・沖縄がそれぞれ60%、64%、67%で、東北の16%を大きく上回った。北海道も63%と高かった。関東35%、東海38%、甲信越・北陸49%だった。
「備えは経験に応じて強化される。被災地から遠ざかるほど実感がわかず、人ごとという意識が強くなり、備えへの意識が低くなったのではないか」。広瀬弘忠・東京女子大名誉教授(災害・リスク心理学)は分析している。
調査は23、24両日に実施した。