2011年12月30日 21時2分 更新:12月30日 22時51分
週末30日のロンドン外国為替市場は、ユーロが急落し、一時1ユーロ=99円97銭を記録、01年6月以来、約10年半ぶりに100円の大台を割り込んだ。市場では欧州債務危機の先行き不安が根強く、ユーロ売りが進行した。歴史的な円高は輸出企業の採算悪化を通じ、踊り場局面にある日本経済の下振れ要因になる懸念がある。
英国時間午後1時半(日本時間午後10時半)現在、1ユーロ=100円20銭付近で推移している。
市場では来年1~3月に巨額の国債償還が集中するイタリアなどの資金繰りへの不安が根強くある。ユーロは心理的節目の100円割れを受けても先安感は消えておらず、年明けの市場も緊迫しそうだ。
みずほコーポレート銀行の唐鎌大輔マーケット・エコノミストは「ユーロを買い戻す理由は見つからない。1ユーロ=90円台という超円高・ユーロ安水準が定着する可能性もある」と指摘している。
欧州債務危機を巡って市場では、米大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によるユーロ圏15カ国の国債一斉格下げへの懸念がくすぶるなど、緊張感の高い状態が続いている。【大久保渉、谷川貴史】
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