タミフル副作用:25万人に1人、重篤化招く恐れ

2011年12月30日 10時6分 更新:12月30日 19時14分

 インフルエンザ治療薬のタミフルが、患者25万人に1人程度の割合で、服用後12時間以内に重い呼吸困難など容体の重篤化を引き起こしている可能性があるとの分析結果を、NPO法人・医薬ビジランスセンター(大阪市天王寺区)理事長の浜六郎医師らがまとめ、オランダの医学専門誌「薬のリスクと安全の国際誌」に発表した。

 浜医師らは厚生労働省の公表データに基づき、09年発生の新型インフルエンザで死亡した患者のうち、医師にかかった時点では重篤でなかった161人について分析した。

 タミフルを投与された患者は119人で、うち38人が12時間以内に重篤な状態に陥るか死亡した。別のインフルエンザ治療薬のリレンザを投与された患者は15人で、12時間以内に重篤化や死亡した人はいなかった。

 浜医師らは一方、製薬各社が同省に報告したデータなどから、同時期のタミフル使用患者を約1000万人、リレンザ使用患者を約700万人と推定。年齢などを考慮して統計的に分析すると、タミフル使用者はリレンザ使用者より死亡率が約1.9倍高く、特に使用後12時間以内に重篤化か死亡する率は約5.9倍になるとの結果が出たという。

 厚労省医薬食品局安全対策課は「論文を検討中で慎重に確認したい」と説明。タミフル輸入販売元の中外製薬は「社内で統計学や疫学の専門家が精査している途中だ」と話している。【高木昭午】

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