2011年12月29日 21時31分 更新:12月30日 1時47分
民主党は29日、税制調査会、社会保障と税の一体改革調査会の合同総会を断続的に開いた。野田佳彦首相も出席し、消費増税の時期を「13年10月に8%、15年4月に10%」としていた当初案を半年遅らせ、「14年4月に8%、15年10月に10%」とする修正案を示し、了承された。これで消費増税の民主党案が決まり、「政府・与党社会保障改革本部」が年明けにまとめる一体改革素案の内容が事実上、固まった。ただ、与野党協議の展望は開けておらず、来年3月の国会提出を目指す消費増税法案の先行きは見通せない状況だ。
首相は同日午後、前原誠司政調会長や藤井裕久税調会長、安住淳財務相らと対応を協議。党税調は午後3時から総会を開いた。首相も午後6時半から出席し、「つらいテーマだが逃げてはならない。結論を先延ばしにはできない。政治家として集大成の思いだ」と異例の協力を要請。国会議員の定数を削減する法案や国家公務員の給与を削減する法案の成立を期す考えも示し理解を求めた。
ただ、出席議員からは「今の経済情勢で増税すべきではない」などと異論が噴出。また、13年10月に引き上げれば、「衆院任期中は増税しないと掲げたマニフェストに違反する」との批判が出た。任期は13年8月までだが、増税の半年前に閣議決定する必要があることから違反するとの理屈だ。
このため、総会を一時休憩し、首相は前原、藤井両氏らと協議、任期終了後に閣議決定をするとの内容に修正した。
このほか、議員定数削減と公務員給与の削減を14年4月の消費税引き上げの前に行うと修正。了承された案には、低所得者向けに現金還付・給付などを行う「給付付き税額控除」の検討▽個人の住宅購入や医療法人の設備投資の際の負担軽減措置の検討▽景気が悪化すれば増税を停止できる「弾力条項」の設定--なども盛り込んだ。政府税調で検討している所得税の最高税率引き上げについては「富裕層に絞って一定の負担を求める」との表現とした。【小倉祥徳、赤間清広】
岩手県・宮城県に残る災害廃棄物の現状とそこで暮らす人々のいまを伝える写真展を開催中。