消費税:地方に1.54%配分で合意…5%引き上げ時

2011年12月29日 20時47分 更新:12月29日 22時0分

消費税が10%になった場合の国と地方の配分
消費税が10%になった場合の国と地方の配分

 政府は29日、首相官邸で「国と地方の協議の場」を開き、消費税を5%引き上げた場合の国と地方の配分について、国を3.46%、地方を1.54%とすることで地方側と合意した。政府・与党の「税と社会保障一体改革」の素案に盛り込む。地方への配分を巡っては、財務、厚生労働両省が1%程度、地方6団体が2%程度を主張し意見が対立していたが、双方が歩み寄る形で決着した。

 配分は、国税である消費税率を3.8%、地方税の地方消費税率を1.2%と定めた上で、国の税収のうち0.34%分を地方交付税として地方に回す。現行税率の5%と合わせると、増税後の消費税収の配分は、国が63%、地方が37%となる。

 増税後の消費税は、医療、年金、介護、子育て支援の社会保障4経費の財源に充てることが決まっている。現在の4経費の負担割合は国と地方で3対1程度。国側は当初、地方への配分はこの割合に沿って1%強程度としたい考えだった。一方、地方側は「予防接種や乳児健診など、地方が自前の財源で賄っている事業(単独事業)も住民に不可欠な社会保障サービスだ」と主張。単独事業分(総額6.2兆円)にも配慮するよう求め、2%近い配分を求めていた。

 29日の協議では、地方単独事業6.2兆円のうち、人件費などを除いた2.6兆円を消費税でまかなうことで国側が譲歩。国と地方の社会保障4経費の負担割合を7対3程度と改めた結果、両者の主張のほぼ中間で決着した。

 政府は、国の基礎的財政収支の対GDP(国内総生産)赤字幅を、15年度に10年度比で半減する目標を掲げている。地方への配分が想定より増えたことで、目標の達成はより困難となる見通しだ。全国知事会の山田啓二会長(京都府知事)は、「地方単独事業の意味を最後の段階で柔軟に見てもらった」と評価した上で、国に増税時の低所得者対策などを注文した。【坂井隆之】

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