2011年12月28日 2時30分 更新:12月28日 10時14分
民主党の内山晃衆院議員(千葉7区、当選3回)は27日、国会内で記者団に対し、28日午前に集団で離党届を提出する意向を明らかにした。内山氏によると、離党するのは同党の斎藤恭紀(宮城2区、当選1回)、中後淳(比例南関東、当選1回)の両氏らで、衆院議員10人規模になるという。ほとんどが小沢一郎元代表のグループで、衆院比例単独選出議員の一部も参加。政党要件を満たす5人以上のメンバーを確保し、近く新党を結成する。
内山氏は記者団に対し「政権公約がすべてほごにされている。外から訴えるしかない」と表明した。斎藤氏も27日、記者団に「公約実現党をつくろうと決起した」と強調。その後、国会内で樽床伸二幹事長代行に会い、離党の意向を伝えた。
離党には平山泰朗衆院議員(東京13区、当選1回)も同調する動きを見せている。菅政権当時に民主党の会派離脱届を提出した16人の比例単独衆院議員の一部も参加する見通しで、渡辺浩一郎(比例東京、当選2回)、三輪信昭(比例東海、当選1回)、石田三示(比例南関東、当選1回)の各氏らの離党が取りざたされている。28日朝に国会内で会合を開き、最終調整する。
内山氏らは民主党を除籍(除名)された松木謙公元農林水産政務官(北海道12区、当選3回)らとともに新党を結成したい考え。将来的には石原慎太郎東京都知事を党首とする新党構想への合流も視野に入れている。一方、松木氏は北海道選出の石川知裕衆院議員(無所属)や新党大地の浅野貴博衆院議員らに地域政党結成を呼びかけており、複数の新党構想が浮上している。
一連の離党の動きにより、野田佳彦首相の求心力低下は避けられず、大詰めを迎えた消費増税論議にも影響を与えそうだ。民主党の輿石東幹事長は27日の記者会見で「一緒にやっていけないか、働きかけをする必要がある」と述べ、慰留に努める考えを示した。
この時期に離党の動きが浮上するのは、政党助成法に基づき国が政党に支給する政党交付金との関係からだ。交付金を受けるため、政党側は1月1日時点の所属国会議員数などを記した政党届を1月16日までに総務相に提出しなければならない。新党参加議員が新たな党で政党交付金を受ける場合、総務省の仕事納めとなる今月28日までに離党を届ける必要がある。【葛西大博、木下訓明】
■民主党離党が取りざたされる衆院議員
*内山晃(3)(千葉7区)
渡辺浩一郎(2)(比例東京)
*斎藤恭紀(1)(宮城2区)
平山泰朗(1)(東京13区)
中後淳(1)(比例南関東)
三輪信昭(1)(比例東海)
石田三示(1)(比例南関東)
※敬称略、かっこ内は当選回数と選挙区。*は既に離党を表明している議員