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被災地の転居先不明2300世帯余

2月25日 19時28分

被災地の転居先不明2300世帯余

東日本大震災の被災地で、最大で2300世帯余りの被災者の転居先が分からず、支援のための制度の案内などが届かない状態になっていることが分かりました。
転居届を出さないまま別の場所に移り住んでいる人が多いとみられ、義援金の受け取りや年金の手続きなどにも影響が出るのではないかと懸念されています。

このうち宮城県気仙沼市では、市民税などの納税通知書を送ったところ、およそ200通が「宛先人不在」として戻ってきたほか、ガン検診などの申込書も130通が戻ってきました。
このほかの自治体でもこうしたケースが相次いでいて、国税当局が、岩手・宮城・福島の3県で特例で税金の還付が受けられる可能性がある被災者に、自治体が発行した「り災証明書」に書かれた住所をもとに案内を発送したところ、合わせて2360通が「転居先不明」として戻ってきたということです。
住民票の住所を変更したり、転出届を出したりしないまま別の場所に移り住んだ世帯が多いためとみられ、中には自宅が被災して転居を繰り返していたので、転居届を出すのを忘れてしまっていたという人や、隣の県に移り住んだものの、いずれ地元に帰りたいと思い、転居届を出すのにためらいがあったという人がいました。
自治体は被災者向けの支援制度の通知や、義援金の受け取り、それに年金の手続きなどにも影響が出るおそれがあると懸念していて、気仙沼市の場合、住民の情報を総合的に把握する「転居カルテ」の作成を税務課などが検討しています。
気仙沼市税務課の小野寺晃係長は、「居場所が分からないために必要な支援を受けられないのは不幸なことだ。市役所の各課が情報を集約し支援していきたい」と話していました。