三古毅の「あんな出来事・こんな発見」
4種類のB-CASカード
2006/3/16
こんにちは
地上・BSデジタルチューナーを内蔵しているテレビやDVDレコーダーに付属しているB-CASカード。
番組の著作権保護やペイ・パー・ビュー放送、データ放送の双方向サービスなどに使われています。
有料放送局(WOWOWやスカパー110、NHKのBS放送)との契約情報も記録されていて、カードが挿入されているAV機器のスクランブルを解除して、放送を見ることを許可してくれます。
これまでは、BS/CS・地上デジタル共用の「赤いB-CASカード」が使われていましたが、2005年10月より地上デジタル専用の「青いB-CASカード」が仲間入りしました。
(ややこしいことをしないで、赤いカードだけでいいと思うのですけど・・・。)
実はB-CASカードには、他にも仲間がいます。
「白いB-CASカード」と、「黄色いB-CASカード」です。
白色のB-CASカード
カードに大きく書いてあるように、電器店の店頭で展示するテレビ専用のカードです。
電器店では、お客さんにハイビジョン放送を体感してもらう目的で、何台かのテレビを店頭展示用として”おろして”います。
しかし展示に使用したテレビは、いずれ再梱包して販売する(展示品処分の特別価格を付けて)場合が多く、その日のために付属品やマニュアルは新品のまま保管しておかなくてはいけません。
特にB-CASカードは、包装から取り出した時点で使用規約に同意したことになってしまうため、電器店で勝手に開封することはできません。
B-CASカードを挿さないとデジタル放送が映らないので(DVDなどの外部入力は映ります)、店頭展示用の白いB-CASカードが準備されているのです。
ご存知の通り、NHKに衛星放送受信料を支払わないと、画面の左下に支払いを促す表示がでます。
新規購入時は出てこないのですが、約1ヶ月後、フイに現れます。
(NHKへ受信料を払うまで、画面の左下を隠し続けます)
ところが、この白いB-CASカードを挿せば、この邪魔な表示が出ないようになります。
つまり、「NHKの受信料を支払っているテレビ」という資格を持つのです。
では誰が受信料をNHKに払っているかというと、東芝や日立といった電機メーカーが払っているそうです。
カードの所有権は電器店ではなく電機メーカーにあり、電器店にカードを貸与している形式になります。
貸し出した店と枚数はちゃんと管理していて、簡単に一般の人が入手できない仕組みになっています。
黄色いB-CASカード
(盗難防止のひもが付いていました)
白色の上をいくカードが黄色のB-CASカードです。
このカードを挿すだけで、WOWOWやスカパー110を見ることが出来るようになります。
店頭でお客さんに「WOWOWではこのような映画を放映しています」と見せて、契約加入の推進を図るためのカードです。
もちろん、WOWOW社員や貸与を認められた関係者しか持つことはできません。
このカードを不正に入手して、自分のテレビでWOWOWやスカパー110を無料で見ようと思ってもダメです。
カードが紛失や盗難にあった時は、所有者はただちにカード番号をWOWOWの管理センターに連絡をし、該当のB-CASカードを失効できる仕組みだそうです。(カード所有者はカード番号を手帳にメモしています)
・・・NHKのBSハイビジョン番組を邪魔なメッセージ無しで見たければ、受信料を払う。
・・・WOWOWが見たければ、契約する。
当たり前のことなんですが、テレビにBS/CSチューナーが内蔵され、もう番組は我が家のリビングまで来ているんです。
あとは何とかしてスクランブルを解除するだけなんです。
「黄色いB-CASカードをちょうだい」とWOWOWの社員さんに頼んでみましたが、「絶対ダメ」という当たり前の返事でした。
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