死亡ひき逃げ事件を起こしたのは女性へのストーカー行為の途中だったとして、北海道・旭川地検は24日、自動車運転過失致死罪などで起訴された北海道東神楽町、土木作業員、岩倉智弘被告(36)をストーカー規制法違反で追起訴した。同地検は昨年8月、道警が女性の告訴を受けて同法違反容疑で逮捕した岩倉被告を「証拠不十分」などとして不起訴処分にしていたが、ひき逃げ事件の被害者側弁護士の指摘を受けて再捜査した。同弁護士は「地検の捜査がずさん。きちんと地検が捜査していれば事故は起きなかった」と批判している。
同地検によると、岩倉被告は昨年9月25日、好意を抱いていた旭川市の女性宅を訪ねようと乗用車を運転中、同市永山町2の道道交差点で高校2年の女子生徒(当時16歳)をはねて死亡させたうえ、逃走直後にも女性宅に押しかけるなど、ストーカー行為を繰り返したとされる。
岩倉被告はひき逃げ事件があった翌日に旭川東署に自首し、逮捕、起訴されたが、裁判に被害者側として参加した弁護士が今年2月に入って、ストーカー行為を繰り返していたことが事故につながったとして、ストーカー規制法違反や危険運転致死罪の適用を同地検に要請した。
同地検の再捜査の結果、岩倉被告は昨年6月に女性の勤務先に2回にわたって押しかけていたほか、ひき逃げ事件で勾留中の同12月にも「出たら会いに行く」などと書いた手紙を女性に送りつけていたという。同地検の当初の捜査が適切だったかどうかについて、旭川地検の鈴木慎二郎次席は「コメントできない」としている。【横田信行】
毎日新聞 2012年2月25日 0時55分(最終更新 2月25日 7時51分)
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