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【大リーグ】

ダルVIP!!! 厳戒警備で本職の警官を大量動員

2012年2月25日 紙面から

打撃投手を務めるレンジャーズのダルビッシュ=サプライズで 撮影者・社英夫

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 超VIP級の厳戒態勢でキャンプインだ。レンジャーズのダルビッシュ有投手(25)が23日、キャンプ初日を迎えた。移動する先々で150人に及ぶ報道陣と200人以上のファンが殺到。本職の警官が増員されるなど物々しい雰囲気となった。レッドソックスの松坂の初年度にならって会見は1週間に数度に限られる見通しだ。全体練習ではブルペンで30球を投げた後、マイナー選手相手のフリー打撃に登板、計15球で安打性をゼロに抑えるなど異能ぶりを発揮した。実戦初登板が3月2日の紅白戦となることも決まった。

 晴天に恵まれたサプライズの球場が物々しい雰囲気に包まれた。背番号11をまとうダルビッシュ目当てに早速、人の山がふくれあがった。報道陣やファンはざっと350人以上。その警備に当たったのは、拳銃を腰に差した地元警察官だった。

 レギュラーシーズンではよく見られるこの光景もキャンプ地では異質だ。警察官は昨年の5人から10人に増員され、選手が動くたびに、ブレーク広報部長からトランシーバーで指示が出される徹底ぶり。ダルビッシュ本人もVIP級の厳戒態勢に「過剰じゃないですか。そんな注目される人間かなとは自分で思う」と首をかしげるばかりだ。

 警備だけではなく、球団側は精神面でもダルビッシュを守る構えだ。同部長は今後の報道対応について「次は紅白戦(3月2日)前に対応することになる」との見解を示し、この先1週間は会見を行わないと通達した。松坂が移籍した07年にレッドソックスで広報を務めた経験から「当時は毎日、取材対応をして選手が疲れてしまった」。あくまで選手を守るための措置であると強調した。

 物々しい雰囲気に影響されたのか、ダルビッシュは投球練習でコントロールにややばらつきが見られた。ブルペンでは捕手を立たせて15球を投げた後に座らせて15球。スライダー、スプリットなど変化球も交えた。さらにフリー打撃に登板し、マイナー2打者を相手に5分間、計15球。これまで打撃投手をした経験がほとんどなく、目の前の防護ネットが気になったようだが、「すべてに適応する以外ない。びっくりしたことは別にない。普通に気持ち良くやれました」と無難にこなした。

 滑るとされるメジャー球への対応も万全だ。投手にとって最も大事なのは指先の感覚。「僕もどうかなって思っていた。オフはあえてこねてない新球とか、ツルツルの球を使って投げてた。こっちに来てすごく投げやすい」といち早く高い順応性を見せた。

 狂騒の中、キャンプ初日を終えたダルビッシュは「体の面では負けてない。何となくやれそうな気がします」と不敵な笑みを浮かべた。威風堂々とした姿でキャンプデビューを飾り、メジャーリーガーとしての第一歩を踏んだ。 (穐村賢)

 

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