厳しい東北地方の冬の到来を前に、複数の民間団体が石油ストーブや電気カーペットやこたつなどの暖房器具を、被災者に直接届けている。「モノではなく、心を届けたい」。支援する人も受ける人も「ほっと」する善意の輪が広がっている。
ボランティア団体から受け取ったこたつで早速暖を取る人たち(11月10日、宮城県南三陸町)
これまでも夏季に扇風機などの物資支援をしてきたボランティア団体の「ふんばろう東日本」は、寄付金で暖房器具を購入、行政に先んじて10月中旬から配布を開始した。一方、厚労省は同月下旬、遅まきながら仮設住宅の暖房器具の費用の補助を決定した。これを受けて南三陸町は仮設住宅の2200世帯を対象にエアコン、ファンヒーター、電気カーペット、こたつなどの暖房器具の要望を取りまとめ、地元の小売店に発注。しかし配布は早くても11月下旬以降。本格的な冬の訪れの前にすべての世帯に届くかどうかは不透明だ。
仮設住宅にこたつを届ける内田智貴さん(35、右)らボランティア(11月10日、宮城県南三陸町)
「ふんばろう東日本」では宮城県南三陸町の住民を対象に、1100枚の電気カーペットと、350台のこたつを配布予定だ。移住した同県登米市の仮設住宅でボランティアから電気カーペットを受け取る南三陸町の被災者たち(11月13日)
受け取った電気カーペットを自宅まで運ぶ子ども。手を貸そうとする祖母に、「お手伝いしたいの!」と最後まで運び続けた(11月13日、宮城県登米市)
一方、自宅を失った被災者が自力で確保した民間アパートなどの「みなし仮設」や「半壊住宅」に住む世帯は、公費支出の対象外で、民間団体の支援に頼らざるを得ないのが実情だ。ボランティア団体「ヒューマンリンク」代表の平島武文さん(54)は、寄付金を元手に、広く被災者に1500台の石油ストーブを配布する予定。
浸水した1階部分の修復工事が始まったばかりの戸建てに住み続ける被災者に石油ストーブを手渡す平島武文さん=左(11月9日、宮城県東松島市)
「ヒューマンリンク」から受け取った新品の石油ストーブの火をつける雁部ふみ枝さん(63)。5人で暮らすアパートで「電気代も節約したい状況なので助かった」と笑顔を見せた(11月9日、宮城県東松島市)
南三陸町の漁師の佐藤長治さん(60)も自宅を失った被災者だ。再開したワカメ漁の合間をぬい、ボランティアとして物資配りなどの支援活動を続けてきた。届け先の仮設住宅では自治体の担当者に間違われ「ほかの暖房器具は届かないのか」「もう寒さにがまんできない」などと不満をぶつけられることも多く、気苦労は絶えない。だが、「今までたくさんの人に支援を受けた恩返し」と語る。被災者、支援者という枠を超えた取り組みが“ぬくもり”を生み出すと信じている。
電気カーペットの積み出しを終え、笑顔を見せる佐藤長治さん(中央)ら(10月16日、宮城県南三陸町)=写真 小林健
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