活動報告 NICe事務局
宮城県南三陸町で物資配布活動、
事業創出・再建支援に向け視察も
●実施日/2011年11月14日・15日
●主な支援活動地域/宮城県南三陸町
●支援内容
増田紀彦代表理事、永山仁理事、前田和幸氏、岡部恵の4名は、宮城県南三陸町を訪問。現地リーダーの嶋津祐司氏の協力のもと、清水(しづ)漁港の現状を視察した。さらにベテラン漁師である佐藤長治氏の漁船「銀洋丸」に乗船させていただき、数キロの沖に再建された、ワカメやホヤ貝などの養殖場へ。その後、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の活動拠点である、「さかなのみうら」さんの倉庫へ移動し、内田智貴氏ら活動メンバーの皆さんと共に仮設住宅への家電配布を手伝わせていただいた。夜は、復興プロジェクトの一環として7月に営業を開始した「南三陸エムズ食堂 和(なごみ)」にて、関係者の集いに参加し、情報交換と交流を図った。翌15日にも仮設住宅への家電配布を手伝わせていただきながら、現状と今後の活動について地元の皆さんとの意見交換を行った。
●感想・課題・今後の予定
「我々は仙台駅で合流し、大阪在住の永山氏・前田氏らが数度に渡り物資搬送と炊き出し支援を行った石巻市から海岸線経由で、女川町、南三陸町へと入りました。その道中の至る所に広がる津波被害の爪痕はあまりに痛々しく広域で、南三陸町もまた、震災から8カ月経った今なお壊滅的な状況でした。我々が訪れた清水漁港は、80センチほど地盤が沈下し、かつてあったはずの建物も道路も樹木もなく、元の漁港の姿は想像ができません。南三陸町の漁港のうち、補修予定はこの清水漁港を含む19カ所、震災前の半数程度にとどまるとのこと。それでも清水漁港では、漁師の佐藤長治さんをはじめ、多くの皆さんが漁業再開に向けて自主的に始動しています。浜の脇では80歳になる渡辺さんという唯一の船職人さんがボランティアで漁船の修理にいそしんでいらっしゃいました。沖合の海中では、佐藤さんらの力でワカメやホヤ貝、銀鮭が大切に育てられており、仮店舗で営業再開した「さかなのみうら」さんでも、三陸自慢の海の幸が豊富に並んでいました。豊かな海は健在であり、漁業は今後も地場産業の要です。しかし、漁具も漁船も設備も流通も何もかもが不足しています。佐藤さんは震災前に採ったワカメや昆布を販売し、その売り上げをすべて漁業再建のためにと、養殖に欠かせないロープ代に充てていると語っていました。「長さんのワカメ」をはじめ、豊かな海の幸の販路拡大にぜひNICe有志の知恵をいただきたいですし、また、地元での起業を目指している方々にもお会いました。事業創出・支援に向け、我々ができることは多々あると改めて確信しました。来年ここ南三陸町をはじめ東北で、NICeの集いをぜひ開催したいと考えています」
▲石巻市の渡波駅にも立ち寄り、女川町から南三陸町へ
▼南三陸町志津川地区
▲職員の遠藤未希さんが命の限り放送を続けた防災対策庁舎(左)
▼高台にある志津川高校から志津川地区を望む(右)
▼清水(しづ)漁港
▼元漁師であり元造船職人でもある渡辺さんがボランティアで漁船を修理
▼佐藤長治さん(奥)と嶋津祐司さん(手前)。長さんの銀洋丸
▲ワカメの養殖場。ロープに種付けして海中に沈めて育てるため、錘となるサンドバックは不可欠
▲赤ちゃんエリア。ワカメの幼葉(左)、ホヤ貝の赤ちゃんは赤い!(右)
▲自慢の海藻で復興にかける佐藤長治さん
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