中国、偵察活動に使用する高性能無人ヘリをオーストリアの企業から購入し実戦配備
中国が、主に偵察活動に使用する高性能の無人ヘリコプターをオーストリアの企業から購入し、実戦配備していたことがFNNの取材でわかった。ヨーロッパから中国への武器輸出は、現在禁止されているが、問題のヘリは民生用として輸出され、軍事転用されたとみられる。
2011年6月、沖縄近くの排他的経済水域を通過する中国海軍の艦隊を撮影した映像と同じ時期の写真には、艦艇の上空に無人機が写っている。
FNNの取材によると、この無人機は、カメラが搭載された高性能の無人ヘリとみられ、軍事専門家は、オーストリアにあるシーベル社製ヘリの可能性があると指摘している。
中国は、2007年から2009年までに、小型ヘリを11機、オーストリアから輸入している。
また、シーベル社が、北京で行われた展覧会に、無人ヘリを出展したこともわかっている。
シンクタンク「SIPRI」のベーゼマン上級研究員は「心配なのは、中国がこの技術を民生用としてだけでなく、軍事用として使えることだ。中国は、この技術に関心を持っている」と話した。
EU(ヨーロッパ連合)加盟国からの中国への武器輸出は禁止されているが、軍民共用の製品や技術の場合、軍事転用の可能性があっても輸出できる。
シーベル社は、中国への無人ヘリ売却について、「ノーコメント」としている。
中国軍は、軍事転用可能な技術をヨーロッパから導入して能力を向上させているとみられ、日本など周辺諸国は警戒を強めている。
(02/24 13:01)