加藤アナ(大阪) では、もう一人いきましょうか、質問。はいどうぞ。ではヨシダさんどうぞ。ヨシダさん、主婦の方です。
質問者(女) 大統領が、今後、より友好関係を深めていこうと考えていらっしゃる国のベスト3を、その理由とともにを教えてください。
盧大統領 (笑)日本、日本が一番であると思いますね。一番近く、そしてアジアで民主主義と市場経済を今まで進めてきた経験が最も多い国です。そして実際に韓国経済と日本経済は密接に緊密にお互い繋がっており、そして依存しあっているために、これから日本と韓国は非常に近い国にならなければなりません。
従って米国、日本、中国、韓国、これからは北朝鮮も入り、ロシアも入り、そしてお互いに一緒に協力して経済をともに繁栄をさせてゆき、またこれからはヨーロッパのようなところでは安保も集団安保体制を成しています。我々も北東アジアがお互いに安保をお互いに敵対し競争する関係ではなく、お互いに依存しあう集団安保の国家関係にまで発展した際に、日本も韓国もより安全で、またレベルの高い新たな時代に暮らすことができるのでないかと思います。
筑紫 それでは、もう少し会場の質問、だんだん日本と韓国との関係も含めて出てきましたので。それじゃあ、そっち聞いてください。
質問者(男) 日韓の教師の交流であるとかですね、そういった事が可能になりませんでしょうか?もしよろしかったらですね、小泉総理にも提案していただけないかな、と思います。よろしくお願いします。
盧大統領 はい、今教科書問題のためには、両国の教科書問題を研究する委員たちが集まり、今現在研究を進めています。先生の間における交流もいいと思います。しかしそれは政府がリードするという形もあり得ますし、あるいは政府がリードせず、先生同士で、研究者同士で、お互い合意をした上で交流をする、といった民間レベルでの交流も可能かと思います。ある意味では民間の間における交流が実際の効果があるのではいかという気がします。
大きく、包括的にお話をしますと、過去の歴史問題について私はどういった心構えからこの質問をなさるのか、ということで若干複雑な気持ちです。私は過去の歴史問題を触れないことにしました。しかしながら、触れないことにしたからといって全く心配していないという事ではありません。私は過去の歴史は過去の歴史ではなく、私たちが未来をいかなる形で運営していくのか、導いていくのかによって、過去の歴史というのは、悪い歴史としてもよみがえることも可能だと思いますし、また未来への道のりにおける壁ともなり得ると思います。しかし私たちが未来をうまく導いていけば、過去の歴史というのはあくまでも過去に存在する一つの歴史の記録として残ると思います。
過去の歴史をよく取り上げる方々は韓国にもいらっしゃいますし、また中国にもいらっしゃいますけれども、そういった方々の心の奥には過去に対する憤りだけがあるのではなく、未来に対する不安があります。その不安のために、よく過去を想起しながらそれに備えようとするというような考えをお持ちなのではないかと思います。そのため私が今回来ていろいろ話をしたのか、してないのか、という事が大事なのではなく、私は過去の歴史について考えなくてもいいような未来を切り開いていこう、お互いの不信感をなくしていこう、ということが一番大事であると思います。
100年前と同じような状況だというふうに述べている人もいますが、これから進んでいく韓日関係、そして韓日中の関係は100年前の関係とは全く異なるものです。そして、我々はそういったものをつくり上げていく自信を持っております。というふうに100年前とは全く違った世界を切り開いていくための努力を、ともにやっていきたいとみなさまにお話申し上げたいと思います。過去の歴史は過去の歴史としてのみ評価し、分析するということだけで答えが出るわけではなく、過去の歴史について触れないでも未来を切り開いていく、というような力量を我々が持っているかどうかにかかっている思います。私はそのための努力をしていくつもりです。