田丸 はい。奥様は大統領より強いそうです。大阪はまた後ほどうかがいますので、すみません。では、大統領。いよいよここからうかがいたいことの本番に入っていくのですが、今回の番組のために日本と韓国両方で世論調査をさせて頂きました。ちょっと数字をご覧頂きましょう。
まずですね、日本と韓国が今後共同で取り組むべき問題はなんでしょう?と聞きました。韓国ではやはり過去の清算が一番多かったんですね。以下、経済交流、そして北朝鮮問題と続くんですが、さて、日本です。日本では北朝鮮問題が7割以上です。圧倒的に多くなりました。日本と韓国ではかなりの違いがありました。もう一つ、現在の北朝鮮は危険だと思いますか?と聞きました。日本では9割以上の人が危険と答えていました。しかし韓国では危険と言う人は6割。危険だと思わないという人は3割弱いらっしゃいます。
筑紫 この日韓の間でだいぶ違いがありますが、これをご覧になってどうお考えですか?
盧大統領 私は韓国でも、また日本でも北朝鮮を危険に思うということにはそれなりに十分な理由があると思います。その理由を北朝鮮が提供したと思います。しかしながら一方では、冷静に一つずつ分析をしてみれば、北朝鮮は韓国よりも力が弱く、また日本よりもはるかに力が弱い国です。戦争というものはミサイルなどを持って出来るものではありません。これは、だから事実と異なってあまりの過度に不安に思っているのではないかと思います。
その程度ならいいのですが、しかし、相手に危険や脅威、不安を持っていれば敵対心が生まれ、それがさもすれば、衝突して大きな不幸につながりかねないと思うために、この問題に対して私は政治指導者達が国民たちにあまりにも不安に思わないように、あまりにも危険だと思わないように冷静にその真実を話す必要があると思います。もちろん私もその件について、私がすべて役割を果たせなかったために韓国の国民も60%の危険だと思っているかもしれませんが、しかしとにかく、この問題についてはあまりにも危険だという考え自体が危険なことになり得るということになります。日韓が一緒に協力して努力をすれば説得でき、そして北朝鮮が核を放棄させるようにすることができ、また対話を通じて市場経済や民主主義に引き出すことが出来ると確信しております。これからもそうしていきます。
筑紫 日韓、北朝鮮の問題も含めて取り組むべき問題はいろいろあると思います。ぜひ聞きたいという人、手を挙げて下さい。
質問者(男) 北朝鮮と韓国は独立国家として併存というか共存すべきだと思いますか。それとも統一を掲げられていますが、これからの将来の朝鮮半島のビジョンというものを教えてください。
盧大統領 私は理念の問題だとか、論理については非常に詳しい者だと、自分なりに自負しております。しかしながら北朝鮮に関する問題を理念的に北朝鮮がどういった存在であるのか、論理的に法的にどういった存在であるのかについての質問は、南北問題の解決にこれまで役立つことはなかったと思います。
私は北朝鮮は国として法的資格を持っているかどうかについて話し合う前に、その前に存在しているという実態について見つめないといけません。前もって話し合い、相手として取り引きをし、約束をし、説得をし、認めることで、お互いに平和を作っていくための努力をしなければいけないということであって、資格があるかどうか、法的な資格が何かについての話し合いをするということはそれほど役立たないことであると思います。その点についてはこれまであまり答えることをしませんでした。対話を通じ、北朝鮮に核兵器を放棄させ、また、交流と協力を通じ、お互いに信頼できる隣人となり、また、いつか統一もできると思います。私は統一はゆっくりとしたスピードでいいと思います。平和が確固たる形で固められ、それを土台として共同の繁栄をなしてこそ、政治的な統一はゆっくりとやっていってもいいと思います。