福島県の民家で使われていた薪(まき)ストーブの灰から高濃度の放射性セシウムが検出された問題で、環境省は10日、福島県境に近い宮城県南部の仙南地区(白石市など9市町)の薪ストーブの灰からも、1キロあたり最大で5万9千ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。
同省が1月下旬、9市町の一般家庭の薪ストーブの灰を検査した。最小値は角田市の1180ベクレルで、最大値5万9千ベクレルは丸森町で検出された。この民家の薪は地元の森で伐採され、屋外に置かれていたという。
5万9千ベクレルは、通常のゴミと同様に埋め立てられる環境省基準(8千ベクレル以下)の7倍を超すレベル。木材は焼却時の濃縮率が高く、灰に含まれる放射性セシウムの濃度が高くなったとみられる。
同省は1月、薪ストーブの焼却灰を庭や畑にまかず、ポリ袋に入れるなどして保管するよう注意を呼びかけた。灰は市町村が集めて検査し、8千ベクレル以下であれば埋め立て処分、8千ベクレルを超えれば国が処理するという。
同省は、福島、宮城両県のほか、岩手、栃木、群馬、茨城、埼玉、千葉の6県でも薪ストーブの灰を調査中だ。近く結果を公表する予定だ。