IL28Bの遺伝子診断によるインターフェロン治療効果の予測評価 C型肝炎
日本におけるC型肝炎の患者さんは約200万人といわれ、いったん感染すると60-80パーセントが慢性肝炎に移行し、無治療のまま放置すれば、多くは肝硬変・肝臓がんに進展します。
C型肝炎に対する根治的治療として、1992年に日本で初めてインターフェロンが導入されました。現在ではペグインターフェロン+リバビリン併用療法によって、当初より大きく治療効果が改善しましたが、それでも日本人に最も多い遺伝子 1型・高ウイルス量の症例では50パーセント程度しか根治せず、約20パーセントは全く効かないのが現状です。
対象となる疾患・症例
C型慢性肝炎(インターフェロン・リバビリン併用療法による効果が見込まれるものに限る)
検査の特徴・概要
最近、簡便な血液検査で、インターフェロン治療効果を予測することができるようになりました。その検査はIL28B遺伝子多型といいます。IL28B遺伝子は IFN-λの一種であり、19番染色体長腕に位置します。IFN-λは共通のクラスIIサイトカインレセプター (IL-28R) に結合し、インターフェロン誘導遺伝子の発現レベルを向上させ、抗ウイルス活性を発揮することが報告されています。
このIL28B遺伝子多型を測定することで、インターフェロン治療によって根治が見込める患者さんを高い確率 (80-90パーセント) で選別することができるようになりました (図参照) 。インターフェロン治療が効きにくいと判断されれば、同治療の副作用である肉体的な苦痛や経済的な問題を回避することができます。
IL28B領域遺伝子多型を治療前に測定することで、ペグインターフェロン + リバビリン併用療法の治療効果を
高い確率で予測することができる。
名称 | 診療科名 | 実施開始日 | 実施件数 |
---|---|---|---|
IL28Bの遺伝子診断によるインターフェロン治療効果の予測評価 C型肝炎(22,000円) | 総合診療科 | 平成22年11月1日実施 | 0件 |
(平成23年9月30日現在)