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不当に奪われた人身の自由を回復することを目的に制定された法律のことを指します。この法律を適用して子供を引き取る事が可能になる場合がございます。
人身保護法の適用はかなり感情が高ぶっている時に実行するものであるため、子どもの争奪合戦の最後の切り札といわれています。適用の仕方としては、現実的に相手方のもとに子供を留めておくと、子供に悪影響を及ぼすおそれがあり、 一刻も早く子供を引き取る必要がある場合は、直ちに人身保護法の適用したいという流れとし、地方裁判所に請求するという流れになります。
請求があってから、1週間以内を目処に審問が開かれます。審問で相手方の行動の違法性が認められると、子供の引渡しを命じる判決が出ます。 もし、相手方が判決に応じない場合は強制執行となります。 |
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しかしながら、子供が自分の意思で相手方のもとに行った場合は、親権行使の妨害にはならず、子供の引渡請求権は成立しません。また、実の親であっても、親権者や監護者の承諾なしに未成年の子供を連れ去れば、刑法224条の未成年者略取、又は誘拐罪になります。
日本国内では、子供の連れ去りによる告訴事例はないようですが、アメリカでは現実に誘拐罪が適用された例があります。
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あきらめない!連れ戻すことができることを大前提とする。(現在の生活が子供に悪影響を与えていると判断されない限り、子供を連れ戻すことができます。) |
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一刻も早く子供を連れ戻したい場合は、人身保護法の適用を請求する |
| (3) |
子供が自分の意思で相手方のもとに行った場合は、子供の意思が尊重される |
| (4) |
実親でも、未成年の子供を連れ去った場合は犯罪である。 |
冒頭でも記載させて頂きましたが、人身保護法の適用を使用することは「最後の切り札」となります。ここまでに至るケースでは、夫婦双方とも相当に共に感情が高ぶっているため、代理人で関与する場合も未成年者の国選代理人で関与する場合も、本当に薄氷を踏む思いで、立ち会うことになります。
また、子どもに対する愛情がより深い方がこの問題を生じさせることがあり、難しい局面になります。 それゆえ、この案件を担当した場合には、両親が話し合ってなんとか解決しないものかといつも考えさせられます。人身保護法による子の引渡請求が認められるためには、拘束者が被拘束者を拘束しており、当該拘束の違法性が顕著であること、他の方法により相当の期間内に救済の目的を達せられないことが明白であることが必要です。
まだ、離婚には至っていない非監護親が、事実上の監護親から子どもを奪った場合に、人身保護法に基づく請求ができるかということが、問題になっていたという事例もございます。
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