Early CT sign(早期虚血サイン)とASPECTS score

Early CT sign

Early CT sign(早期虚血サイン)とは脳梗塞の超急性期に単純CTで認められる微細なCT上の変化であり、皮髄境界消失、レンズ核の不明瞭化、脳溝の消失が知られています。このサインが広汎に認められた場合、t-PA静注療法後の予後が不良であり、出血性合併症が増加するとされています。Early CT signはCTの撮影条件によって診断率が異なるため、撮影条件の最適化・標準化が進められています。撮影条件の詳細については正書を参照してください。


発症65分後に頭部CTを撮影した左片麻痺の患者の単純CTです。右レンズ核の不明瞭化、右島皮質の皮髄境界消失が認められます。

ASPECTS score

ASPECTS scoreは、単純CTのearly CT signを定量化したスコア法です。下の図のように一側の中大脳動脈領域を10個の領域に分け、各領域ごとに早期虚血変化の有無を評価し、減点方式でスコア化します。early CT signが全くない場合は10点で、MCA全領域にearly CT signが認められた場合は0点になります。
この方法は読影者の間でのばらつきが少なく、信頼性が比較的高い評価法とされていますが、正確な読影には十分なトレーニングが必要です。下記のホームページでは、early CT signおよびASPECTS scoreの読影トレーニングが用意されています。ぜひチャレンジしてみてください。
  • MELT Japan:Early CT sign判読トレーニング
  • ASIST Japan:CT&DWI初期虚血変化読影トレーニング

C:尾状核頭部
L:レンズ核
IC:内包後脚
I:島皮質
M1-M3:中大脳動脈領域(基底核レベル)
M4-M6:中大脳動脈領域(放線冠レベル)