韓流:「日本に進出する韓国人歌手が多すぎる」

オリコンの小池恒社長が指摘

 「韓国人歌手の入れ替わりが早すぎるのではないかと思う。非常に多くの歌手が日本に進出しており、ファンが飽きてしまう可能性も考えられる。ともすれば(韓流ブームの持続に)ネガティブになりかねない」

 今や、韓国アイドル歌手の「通過儀礼」と化してしまった日本進出ラッシュに対し、J‐POP界の大御所、オリコンの小池恒社長(46)が苦言を呈した。

 オリコンが発表するオリコンチャートは、日本で活動する韓国人歌手が「成功の尺度」と見なす音楽チャート。1967年に始まり、日本全国のCDショップおよそ2万6000店のCD売り上げ枚数を基に、シングル・アルバム部門でデーリー・週間・月間ランキングを発表している。米ビルボードのチャートに匹敵する影響力と権威を持ち、韓国でも知名度が高い。これまでにBoAや東方神起、KARA、少女時代、チャン・グンソクなどのK‐POP、韓流スターがシングルまたはアルバムチャートで1位を獲得した。

 22日に開催された「gaonチャートK-POPアワード授賞式のため来韓した小池社長と、23日にソウル市内のホテルで会った。小池社長が見通す日本でのK-POPの未来は、決してばら色とは言えない。「今は少女時代やKARAのような女性的なルックスやイメージが際立っており、これに見合ったファン層が形成されているが、韓国人歌手たちがどれほど多様な姿を見せられるかが今後の課題だと思う。ファンたちは、歌手たちが日本で見せる新たな一面に期待している。最近日本に進出している韓国人歌手たちは、短い滞在期間で首都圏を中心に活動しているが、日本で幅広い人気を得ようとするなら、こうしたやり方は不利になりかねない」 

 小池社長は続けて「韓国人歌手たちがJ-POP界で人気を持続するためには、K-POP人気の先駆けとなった東方神起や少女時代、KARAなどの役割が重要だ」と指摘する。大きな成功を収めたこれらグループのCD売り上げが落ち込めば、日本に進出する全ての韓国人歌手に影響が出かねず、そうなれば韓国人歌手の日本での活躍は「一時的な現象」と受け止められる可能性があると説明した。

 小池社長は、韓国人歌手たちがオリコンチャートで善戦した理由として、磨き上げられた魅力とファンの応援を挙げた。「チャート上位の歌手たちはビジュアルコンセプトもユニークで、ダンスや歌の表現力もずば抜けており、大半がCD発売と同時に上位にランクインした。日本デビュー前からインターネットなどを通じて歌手たちの活動をよく知っている日本人ファンも多く、デビューすると同時にファンの応援を受けることになる」

 一方、先ごろ東京で予定されていた女優キム・テヒのCM記者発表会が、ネット上での反韓流ムードの高まりを受け、急きょ中止されたことについては「(反韓流は)ごく少数による動きにすぎない」と指摘。「今回は、キム・テヒさん側が少数の否定的な世論に過剰に反応したものと思う。日本の大衆の大多数は、相変わらず韓国ドラマやK-POPが好きだ。(一部の)ゆがんだ見方に過剰反応する必要はない」と語った。

鄭智燮(チョン・ジソプ)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) 2011 The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
関連ニュース