広島県府中町と広島市南区にまたがるマツダ本社工場で2010年6月、社員ら12人が暴走車にはねられて死傷した事件の裁判員裁判で、殺人罪などに問われたマツダ元期間従業員の引寺(ひきじ)利明被告(44)の論告求刑公判が24日、広島地裁であった。検察側は無期懲役を求刑した。
引寺被告は10年6月22日午前7時半ごろに工場東正門を自家用車で突破。車を約9キロ暴走させて1人を殺害、11人に重軽傷を負わせたとされている。弁護側は最終弁論で「被告は社員から集団ストーカー行為を受けたという妄想にとらわれていた」「当時は心神喪失状態だった」などとして無罪を主張するとみられる。判決は3月9日。