
RS-232Cの通信は、通常なら全二重通信です。 全二重通信とは送信と受信の伝送ラインを独立して持っているため、送受信が同時に行える通信方法です。
ここで、重要なのが出力と入力の関係です。
通信には、『口』と『耳』が必要です。口から出たデータを耳で受ける。これが通信です。ですから、双方向通信を行う場合、ひとつの装置には『口』と『耳』が1ペア必要になります。
この『口』が出力で、『耳』が入力なのです。
つまり、装置Aと装置Bを双方向通信させるためには、装置Aの出力を装置Bの入力へ接続し、装置Bの出力は装置Aの入力へ接続しなくては、正常な通信ができません。
簡単ですね?
いよいよ本番になってきますよ。
RS-232Cの通信装置には、『端末仕様』と『モデム仕様』が存在します。
端末仕様のTXDは出力、RXDは入力になっています。
一方、モデム仕様のTXDは入力、RXDは出力になっており、端末仕様の装置と入出力が全く逆になっているのです。
この2つの装置を接続するには、TXDとTXDを接続し、RXDとRXDを接続すればOKです。
上図で確認してください。端末仕様のTXDはモデム仕様のTXDへ接続されています。
この接続ケーブルを『ストレートケーブル』と呼んでいます。
もし、端末仕様の装置2台を接続する場合、注意が必要です。端末仕様の装置では、TXDが出力なのでTXD同士を接続しても通信できないからです。端末仕様のTXDは、端末仕様のRXDに接続しなくてはなりません。モデム仕様の場合も、入出力が逆になりますが、全く同じ考えができます。
端末仕様同士の接続を上図で確認してください。
その接続ケーブルが、『クロスケーブル』です。
具体例で説明すると、パソコンとモデムを接続するには、ストレートケーブル。パソコン同士を接続するには、クロスケーブルを選択します。
上図の見方・・・
上図の矢印は、データの伝達方向を表しています。そして三角形は、入出力装置を意味しており、三角形のとがった方を出力。平らな方を入力としています。
端末仕様とモデム仕様では、同じ信号名であっても入出力が異なる事に注意してご覧ください。
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