それでもリニアは作る?
リニア新幹線の採算性には以前から疑問を呈してきたが、東日本大震災のあと、リニア新幹線の環境はさらに変わってきたようだ。それでもJR東海はリニア新幹線の自社費用での建設は諦めていないようだ。
当初の予定と違ったのは駅の建設費用。以前は自治体が負担するよう要請していたが、あまりにも高額なので引いた自治体がいるほど。またどこに作るかも綱引き合戦があってなかなか決まらない。結局業を煮やしたJRが自己負担で駅を建設することに決まった様だ。これにより、JRの費用負担は6000億円という。JR東海は自己費用でまかなえるとしている。
リニア新幹線への不幸はまだこれだけではない。地震による電力供給の悪化である。現在ほとんどの原子炉が停止している。このままだと大幅な電力不足になると考えられている。仮に再稼働が認められたとしても、現在ある原発は、リニア新幹線が開業する平成57年までには寿命を迎える。新しい法律では40年で廃炉になるという。はたして現行の新幹線の3倍という電力を食うリニアをまかなうことが出きるのだろうか?出来たとしても原発の建設コストは上がる。いまと同じ電気料金ではありえないだろう。
LCCの台頭も問題になるだろう。東京ー大阪間の飛行機運賃は将来2000円〜3000円というレベルまで下がるといわれている。そうなったときに、わざわざ、2万円近い料金を払ってリニア新幹線に乗るだろうか?
JR東海は現行の新幹線の利益はこのまましばらく維持できると計算している。しかし国内の産業の不景気が人々の往来は低下するし、インターネットが発達すれば出張の機会はこれからどんどん減ってくる。産業の空洞化が進めばそれに拍車がかかる。そして人口の低下もそれにのっかる。開業したとしても現行の新幹線とリニア新幹線の両方を維持できるのだろうか?
しめて10兆円もかかる事業である。開業にこぎつけられるのやら?出来る前に倒産しなければいいのだが。倒産した挙句に税金投入なんてごめんである。はたして23年後はどうなっているか誰にもわからないが、どう見ても明るい未来とは思えない。
それだけコストをかけるのだったら、現行の新幹線を改良したほうが安く上がるはず。現在の技術では鉄輪式でも時速500kmは可能だという。お隣の中国では500km/hを目指して開発を始めたという。もし実現されればパクリなんて言ってられなくなる。
地下深く穴ぼこを掘るよりもいいし、投資額も少なくて済む。なによりも運賃を安くできる。
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こんにちは。以前、リニアの件でコメントさせていただいた者です。
何が何でも2014年着工を目指すために環境アセスメントの項目・評価を記載した方法書がJR東海から出されましたが、これがとても杜撰な内容であり、各県でおこなわれている審議を見ると、「方法書といえるレベルに達していない」「あまりにも抽象的で審査しようがない」「調査項目が少なすぎる」「ここまでひどいのは見たことがない」「文献調査が不十分」という意見が数多く出されています。自然破壊を引き起こす公共事業を次々認可してきた審議会においてこのような見解ですから、そのひどさが推し量れるかと思われます。
南アルプス国立公園において掘り出される土砂の扱いを考えただけでも、実行不可能な計画なのでは?と思います。
2012/2/18(土) 午後 3:13 [ kabochadaisuki ]
リニアが出来るのが早いか、JR東海が倒産するのが早いか競争でしょうね。もっともその前に日本が破綻しているかも知れませんけど。
2012/2/18(土) 午後 6:24 [ mos_ic_make ]