原発無策
関西電力の高浜原発3号機が定期検査に入り、停止する。これで日本で稼働する原発は2基だけになり、それもこの4月までに定期検査で停止する。いつ再稼働するか見込みが立たないという。http://www.shinmai.co.jp/news/20120222/KT120221ETI090009000.html
原発の是非はともかく、日本の3割の電力を担っている原子力発電所がすべて停止するとなると、日本のエネルギー需給は非常事態となるはずなのだが、不思議なことに政府にも、電力会社にも切迫感が見られない。
将来に何らかの展望があって落ち着いているならまだしも、どうみても確固たる絵図が描けているようには見えない。
当面の電力不足を解消するためなら原発は再稼働を急がなければならない。再稼働するには安全性の確保が不可欠なのだが、その検証となるはずだったストレステストが、いまごろになって当てにならないようだ。原子力安全委員会の班目春樹委員長は、ストレステストについて1次評価だけでは「安全確認が終わったことにはならない」と述べている。
電力不足が産業や生活に大きな影響を与えるかと言うと、どうもそうはならないようなのだ。日本国内の火力発電所等の出力をあつめると充分補えるようなのだ。
原子力発電所は出力の調整が効かない。必要電力が少ない時には出力を抑えることは出来ない。そのため揚水発電所とペアになって建設される。揚水発電所は何をするかというと、余剰になった電力で水を組み上げて発電する。原発がなくても夜間の余剰電力を使えばこの揚水発電所も発電に使える。この揚水発電所の出力を集めれば、原発が止まった分くらいは補えるというのだ。
http://www.news-postseven.com/archives/20110418_17850.html
つまり、安全性は確保できない。しかし電力需給はなんとかなる。だから切迫感はない。だから何も出来なくても困らない様なのだ。しかしそれを口に出すと原子力村の住民が困る。だから黙っている?
電力需給の将来像などまったく興味がないようなのだ。
東電はそれに悪ノリして電力不足を演出し、電気料金をあげようとしているが、それは薮蛇になりそうだ。
消費増税は一生懸命だが、電力の将来は何も考えていない。多分野田君は自分の在任中は大事にならなければいいと考えているだけなのではないだろうか?賞味期限切れが近いと感じているからか最近はその傾向が強くなったように思える。原発だけではなく、他の政策を見てもそのように思えてくる。
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