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描ける?府庁美術館構想…松井知事の転用案に賛否大阪府庁本館(大阪市中央区・1926年完成)を、大阪市が計画する近代美術館(仮称)に転用するアイデアが波紋を呼んでいる。「良い案。協力したい」と評価の声が上がる一方で、「改築は費用がかさむ」「作品の安全性は」など、疑問を呈する専門家もいる。どの程度、現実味のあるプランなのか。 松井一郎知事が1月半ばに構想を明らかにすると、いち早く<賛成>の姿勢を示したのが建築家の安藤忠雄さんだ。「無償で監修する」と伝えたという。 伊・ベネチアで、15世紀に起源を持つ税関建物を改修した現代美術館の設計を手掛けたほか、国際子ども図書館(東京)など種々のリノベーションに関わってきた。「古いものと新しいものを調和させて『記憶』を紡ぐことには深い意味がある」と話す。 蓑豊・兵庫県立美術館長も、「街の中心にあってこそシンボルとして認知される。現計画の中之島も交通至便だが、大阪城を間近に安藤建築の中で鑑賞できるという案は、より魅力的」と語る。 元王宮のルーブル美術館や駅舎だったオルセー美術館(共にパリ)など転用自体は珍奇な案ではない。 博物館法は美術館開設について「陳列室、資料保管室、事務室などを有する165・29平方メートル以上の建物が原則」としており、府庁舎は十分対応可能だ。 兵庫県の姫路市立美術館(1983年開館)は明治〜大正期に建てられた旧陸軍の施設を、赤レンガの外観を残して転用した。延べ床面積は府庁の10分の1。単純比較は難しいが、改修費に14億円かかったほか、最新設備の収蔵庫を新築した。今も床や天井の張り替えなどを続けており「別目的の建物を美術館として使い続けるには相当の経費がかかる」(同館)という。 美術評論家の木村重信さんは「近代美術館の収蔵品には大作も多く、通常の天井高しかない府庁で展示可能なのか。湿度、温度の管理のため徹底的な改装が必要になる」と懐疑的だ。 近年は展示空間そのものを作品表現の一部とする「インスタレーション(設置芸術)」を手掛ける作家も多く、「ゆとりある空間が不可欠だ」とも。 自作が収蔵品にある美術家、嶋本昭三さん(84)は、「もう、何十年も完成を待ち続け、場所へのこだわりはない。それより一刻も早く、公開の場ができてほしい」と願っている。 大阪市立近代美術館(仮称) 大阪市は1983年、中之島での建設構想を発表。98年に基本計画を策定したが資金難で凍結した。収集した作品は約4500点に上る。橋下徹市長が2014年度の着工計画の見直しを表明。府市統合本部の作業部会が3月末頃までに中間的な見通しを示す予定だ。 (2012年2月18日 読売新聞)
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