'12/2/22
福島事故、米国では80キロ圏避難検討 米原子力委が詳細議事録
【ワシントン共同=池内孝夫】米原子力規制委員会(NRC)は21日、東京電力福島第1原発事故発生直後に三つの原子炉の炉心溶融(メルトダウン)や、使用済み燃料プールから大量の放射性物質が漏れることを懸念するやりとりを記した約3千ページの内部文書を公表した。
昨年3月16日の電話会議で、ヤツコ委員長は「最悪のシナリオはおそらく、三つの原子炉がメルトダウンすること。最終的に格納容器が壊れ、何らかの(放射性物質の)漏出が起きそうだ。漏れの規模を予測するのは難しい」と話した。また「風が東京に向かって吹いている場合、東京にどう影響が及ぶのか」と懸念する出席者に「現時点で(米国民の)退避範囲は、50マイル(約80キロ)でいこうと思うが、不確実であり、拡大する可能性はある」と答えた。
東日本大震災の発生直後から、事態の深刻さをNRCが認識していたことを示す内容。メルトダウンの可能性を認めようとしなかった日本政府との危機意識の違いが浮き彫りになった形だ。
12日には80キロ圏の米国民の避難勧告を検討していたことも文書から分かった。ヤツコ委員長は放射性物質の予測が難しい理由として「悪い状況にある使用済み燃料プールが六つもあり、プールが火災を起こすかもしれない」と指摘するなど、緊迫したやりとりが記されている。燃料プールの構造が壊れ、水がなくなっているとの懸念も示された。
文書は、震災発生から10日間の内部での議論や電子メールのやりとりなどが中心となっている。