ワタミ株式会社 代表取締役社長・CEO 渡邉 美樹

※下記はベンチャー通信29号(2007年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
【インタビュー後編】 本物の起業家と偽者の起業家の見極め方


             屋久島にて

―渡邉さんが考える“起業家の条件”を教えてください。

 第一に猛烈な欲を持っているかですね。成功する人は、みんな欲がすごく強い。また、その欲を自分だけに使うのではなく、世のため人のために使う人は大きく成功します。

 起業して会社が伸びるにつれて、起業家の人間としてのレベルも上がっていかなければいけません。最初は、自らの強烈な欲を自分のために使っていた人でも、人間のレベルが上がっていくにつれて徐々に自分以外に対して使うようになります。最終的には自分の欲の全てを自分以外に使う人が起業家として大成するのだと思います。まさにマザー・テレサのような人ですね。企業が継続的に繁栄するには、トップである起業家の欲の使い方が大事です。継続的に繁栄する企業というのは、その起業家の欲に社会性が帯びています。


―起業家が本物か偽物かを見極めるには、どこを見たらいいですか?

 まず浮ついている人はダメですね。また周りの目を気にし過ぎる人も良くない。人からどう思われようとも、自分の価値観を大事にして固い信念を持っている人でなければ起業家は務まりません。自分に正直でいいんです。逆に自分に正直でない人は起業家としては厳しい。他人の評価ばかり気にする人は、起業家として大成しません。


―最後に若い読者にメッセージをください。

 今の若者には欲が少ない人が多いと思います。もっと欲を持ってほしい。最初は自分だけの欲でいい。もっと物質的に豊かになりたいとか、もっと有名になりたいとか。どんな欲でもいい。とにかく欲を持つことです。

 欲があれば、人はチャレンジします。そして、いろんなチャレンジをして、失敗して、さらに大きな欲を持てばいい。自分の命を本当に生かすためには、大きな欲を持つべきです。

 ベンチャー企業を起こすことは、非常に素晴らしいことです。起業するとは、自分の命で他の人の命を生かすことですから。ぜひ自分の欲を他人や社会に生かすことに使ってください。頑張ってください。


■渡邉 美樹 (わたなべ みき)
1959年、神奈川県生まれ。小学校5年生のときに父親が経営する会社が清算したことから「将来は社長になる」と決意。82年、明治大学商学部を卒業後、会社経営に必要な経理を勉強するため、ミロク経理に入社。その後、佐川急便で1年間働き、起業資金300万円を貯める。84年に有限会社渡美商事を設立、「つぼ八」の店を買い取りフランチャイズオーナーとして起業。96年に店頭公開、2000年3月には東証一部上場を果たす。「外食」以外にも「介護」「農業」「環境」各事業を拡大展開中。2003年に「学校法人 郁文館夢学園」(中学校・高等学校・グローバル高等学校)の理事長、2007年に「医療法人盈進会病院」の理事長となり、学校・病院の経営に取り組んでいる。その他、日本経団連理事、NPO法人「スクール・エイド・ジャパン」の理事長も務める。外食事業は630店舗(平成19年10月末現在)を展開。

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プロフィール

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お名前
渡邉 美樹
お名前(ふりがな)
わたなべ みき
出身
神奈川県
生年月日
1959年 10月 5日
身長
182 cm
体重
68 kg
平均睡眠時間
4時間
平均起床時間
5時
趣味
屋久島登山
おススメ本
論語
購読雑誌
経済誌等
家族
4名
今までに訪れた国
約30ヶ国
好きな食べ物
有機野菜、納豆、ワタミの食事
嫌いな食べ物
特になし
座右の銘
夢に日付を
尊敬する人
マザー・テレサ