西日本新聞

法学部の人気下がり気味

2012年2月24日 00:39 カテゴリー:文化 九州 > 福岡

 国公立大2次試験の前期日程が25日から始まる。長引く不況を受け、受験生の間では、就職に有利とされる理系学部の志望が目立ち、文系学部の人気はいまひとつ。とりわけ、「文系の最難関学部」と言われる法学部の志願倍率の低迷がここ数年、続いている。

 予備校関係者によると、法学部の人気低迷は、私立大を含め全国的な傾向で、九州の国公立大の志願倍率も徐々に下がっている=表参照。

 その理由として、教育情報会社「ベネッセコーポレーション」の担当者は、受験生の「現役・地元志向」を挙げる。「不況下での教育費負担を考えると、受験生は浪人回避と親元からの通学を求め、難易度が高い法学部を敬遠しているようだ」と話す。

 「法科大学院の司法試験合格率低迷が要因の一つ」と指摘するのは、河合塾福岡校の秦利勝・校舎長。「多くの法科大学院が設立された8年前は『法学』の人気が高まったが、今はイメージを低下させているのではないか」。河合塾が昨年11月に行った全国模試では、医学系や看護系などの志願者は増えたが、法学系は前年の約9割にとどまったという。

 北九州予備校の博多駅校(福岡市博多区)に通う国立大法学部志望の男子受験生は「法学部を目指す人はクラスでも少数派です」。受験生の間では「法学部は法律を学ぶ場」という印象が強く、「堅いイメージ」(文学部志望の女性)も敬遠傾向の背景にあるようだ。

 大学側は現状をどう考えているのか。九州大の酒匂一郎・法学部長は「人気が低迷しているという実感はない。ただ、法学部の出身者は法曹だけでなく、地方公務員も多い。今後も地方行政の担い手となる優秀な人材を集めたい」と語る。

 一方、小中高校では本年度以降、新学習指導要領に基づき、法律の意義や考え方を学ぶ「法教育」が段階的に導入される。法教育の普及に取り組む福岡市の春田久美子弁護士は「弁護士や公務員になるためだけでなく、さまざまな問題解決の方法を身に付け、民主主義の担い手を育てていくためにも、法律を学ぶ学生が増えてほしい」と期待する。

=2012/02/24付 西日本新聞朝刊=

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