放射性セシウムに汚染された疑いのある牛肉を給食に使っていた学校や幼稚園が12都県の296施設に上ることが、文部科学省の調査で分かった。うち2校では国の暫定基準値を超えるセシウムを検出。健康に影響はないとみられるが、文科省は食材の出荷制限などの情報に注意するよう学校現場に呼びかけている。
文科省によると、9日現在で、汚染された稲わらを食べた可能性のある牛の肉は、東北から中国、四国にかけての20市町の小中高・特別支援学校278校と幼稚園18園の給食で、カレーや牛丼、肉じゃがなどに使われていたことが判明。横浜市で127校、岐阜市で53校・園、宮城県の4市町では30校・園に上る。東日本が主だが、三重、島根、香川の計4市40校・園でも使われていた。
在庫の肉を検査できた約30施設のうち、放射性物質が検出されたのは8施設。うち宮城県の特別支援学校と千葉県の小学校の計2校では、国の暫定基準値(1キロあたり500ベクレル)を超える1293〜649ベクレルが検出された。ただしいずれの自治体も、1人あたりの肉の使用量は少なく、健康への影響はないとしている。(井上裕一)