首都圏連続不審死事件で、3人の男性への殺人罪などに問われている木嶋佳苗被告(37)の裁判員裁判の第24回公判は20日、さいたま地裁(大熊一之裁判長)で、被告人質問の2日目が行われた。木嶋被告は、死亡した東京都青梅市の会社員、寺田隆夫さん(当時53歳)と09年1月30日に別れ話をした後に現金400万円と1000万円以上の通帳を受け取ったと明かした。
被告は弁護人の質問に対し、1月30日夜に同居の準備のために寺田さんのマンションを訪れたが、部屋が汚れており、寺田さんが無口だったことなどから「結婚生活がうまくいかない」と思い別れ話を切り出したと説明。その後に、現金と通帳を受け取ったという。通帳は被告名義で、結婚生活のため、あらかじめ寺田さんに渡していたという。
被告は、受け取りに抵抗があったか聞かれ「多少迷いはあったが、寺田さんが了承していてくれていることだからよいだろうと思った」と述べた。
検察側は、被告が金銭目的で寺田さんと交際を始め、08年6月から09年1月にかけて計1850万円を入手し、1月30日夜、寺田さんの自宅マンションで寺田さんを眠らせ、練炭に火を付けて31日に死亡させたと主張している。弁護側は寺田さんが死亡したのは1月31日ではなく、2月1~2日に自殺した可能性を指摘している。
被告は09年2月4日に警視庁青梅署員から寺田さんの死亡を聞かされた時の心境を問われ、「驚いた。別れ話をしたせいなんだなと思った」と述べた。【田口雅士、飼手勇介、平川昌範】
毎日新聞 2012年2月20日 22時12分
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