My Harps 

 

私がこれまでに使用してきたハープ達をご紹介します。
私がどのようなな楽器とどのように関わってきて、それぞれの特徴や、どんな使用感だったかが、
これからハープを始める方や、ハープを購入しようと思っている方の参考になれば幸いです。

 

レバーハープ(小型) レバーハープ(大型) グランドハープ(46弦) グランドハープ(47弦)

 

 SALVI EIRE サルヴィ アイル

イタリアのハープメーカー サルヴィ社のラップハープ(小型レバーハープ)、ナイロン22弦です。
ナチュラル(白木)やブラウンの他、イタリアらしく、トリコロールカラー(赤・緑・白)など、多くのカラーヴァリエーションに嬉しくなりつつも迷いたくなる可愛らしいハープです。
私も購入時ずいぶん迷いましたが、宝石のラピスラズリのような深い色に一目ぼれして、このブルーを選びました。
小さいながらも厚みのあるボディで、このサイズにしてはかなり豊かな響きです。
(他メーカーからも同じようなサイズが出ていますが、音量・響き共にこの楽器の足元にも及びません)
小型のレバーハープのイチオシですが、残念ながら現在は製造中止になってしまいました。

小型のハープというと、「練習用?」と思われてしまう方がよくいらっしゃいますが、 そんなことはありません。
「本物の」「本番用の」小さいレバーハープです。
なぜかグランドハープに比べて簡単そうなイメージがあるようですが、難易度は決して低くはなく、むしろ初心者にはグランドより弾きにくい可能性があります。
何よりまず、膝の上に乗せて安定させつつ演奏するにはかなりの「慣れ」が必要です。

また、音域や半音操作の都合上、譜面そのままを演奏できる曲は制限されるため、 ある程度アレンジが必要になるため、楽器初心者の方にはあまりおすすめできません。。

素朴な音色ならではの曲目が多くあり、 このサイズでしか出せない「天使のイメージ」でウェディングなどに人気が高く、ガーデンウェディングの挙式でも好評でした。。
グランドハープを持ち込めない、屋外の会場(直射日光・雨天はもちろんNG)での演奏にも活用しています。

   

    

       半音操作のレバーはサルヴィ特有の構造です

 

 

 SALVI LIVIA  サルヴィ リヴィア

同じくサルヴィ社のレバーハープで、36弦(ナイロン・ガット・スチール)です。
ハープを始めて最初に購入した、青山のアイリッシュハープを手放したあと、 よりよい音色を求めて、国内外メーカーの、たくさんあるレバーハープの中から選んだのがこのリヴィアでした。

中音部がガット弦のためか、レバー特有の「キンキンした高音の響き」はなく、 ふくよかで伸びのある豊かな響きは、グランドハープにも引けを取らないほど。

音色的には、アイリッシュとグランドの中間のような雰囲気でしょうか。
豊かな響きを支えているのは、下半分がずんぐりとした、かなり太めのボディ。

柱を手前にして真正面から見ると、その太さがよくわかります。
大きさ的にも、グランドと並べてもあまり変わらないくらいの印象なので、 置き場所もその分とりますのでご注意を。

コンサートホールなどで、大きな音で演奏するとよりそのふくよかな響きが堪能できる、素晴らしいハープです。

     

    

半音操作レバーは、「パフォーマンスレバー」という特殊なもので、
半音操作の際、アクションが重めですが、音程が正確に変えられ、
また雑音が出にくい構造になっています

 

 

LION & HEARY Style17 ライオンヒーリー 17号

私が一番初めに購入したグランドハープで、弦は46弦です。

恩師から紹介していただいたアメリカのハープ店、Vanderbiltから直接購入しました。
女性らしいやわらかなイメージの装飾・彫刻が美しい楽器です。

ライオンヒーリーらしい、柔らかい音色と軽いタッチで、あまり力まなくてもよく響いてくれる「当たり」楽器でした。
(注:楽器には当たりハズレがあり、同じメーカーの同じ型番でも、結構差があったりするのです)

47弦のハープと比べると、1本弦が少ない分、背も若干低く、ボディが小さいため、 音量的に若干迫力に欠けるので、ソロのコンサートやオーケストラでの演奏にはおすすめできませんが 、BGM等あまり音量のいらない会場での演奏、自宅でのレッスン用なら十分に使える楽器です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

LION & HEARY Style23 NATURAL
ライオンヒーリー 23号 ナチュラル

言わずと知れた、ライオンヒーリー社グランドハープの定番中の定番。
おそらく、日本国内でプロのハーピストに最も多く使用されている楽器ではないでしょうか。
オーケストラでも、このナチュラルまたは柱が金箔張りのゴールドをよく見かけると思います。

ライオンヒーリーらしい柔らかい音色と弾き心地で、特にハープのオリジナルやクラッシック曲によく合う音色だといます。

よく言えばどんな場面でも無難にこなせる反面、自己主張は少ないため個性は出しにくい楽器とも言えます。

自宅では46弦の17号で練習し、先生のお宅では47弦の23号でレッスンを受けていたところ、 その時の課題が一番下のC(ド)の音まで使用する曲だったことと、ボディの太さの違いからの抱え心地(?) のあまりのギャップにある日限界を感じました。

ちょうどタイミングよく、この楽器が中古で売りに出される直前の情報をゲットし、すぐにお店に駆けつけ、 ほぼ即決で購入してしまいました。
13年ものの中古で購入したこの楽器、見た目もよい感じに飴色になっていて、音も私好みの古めの音色。
そしてなぜか、他の23号に比べると重量がとても軽かったのは、今になっても謎です。

近年販売されている同じモデルより、ネックが細く、ボディも細めで、小柄な私でもとても演奏しやすい楽器でした。
(大きさ・音色は製造年代によってかなり個体差があります)

ただ、半音操作のメカニック部分には少々問題があり、高音部に、ペダルを静かに踏んで小さな音で弾き始めると
耳で確認できるほどの音程の「ズレ」が生じるというありました。

この「ズレ」は、弦を少し引っ張るか、強めに弾くと音程は戻るため、俗に言われる「オバケ楽器」で、 専門家に何度か調整や修理をお願いしましたが、結局スッキリとは解決せず、修理をしていただいたベテラン調整士さん曰く「(この年代の楽器はイマイチよくない事が多いし)ちょっとハズレだったかもしれないね」との事・・・。

 


 

LYON & HEARY Style11 ライオンヒーリー 11号

今現在、メインのグランドハープとして使用しているのがこの楽器です。
柱の形・共鳴板の装飾はこのモデル特有のもので、ライオンヒーリーのカタログを最初に見た時、 いつかはこの楽器を持ちたい、と憧れていたものでした。
縁あってこの楽器を所有できたことは、ハーピストとしてとても幸運なことだと思っています。

まず特徴的なのが、高音部の伸びと鳴りのよさ。クリアな音色で驚くほどよく響き、伸びやかに遠くまで鳴り響くので、 弾いている本人でも最初はビックリします。
初めてこのモデルを弾くと、他の楽器とのギャップに戸惑うほどです。
伸びがいい=聴衆にもよく聴こえる ので、ミスも当然よく聞こえますので、 シビアなクラッシックなどを初めて本番で演奏する時にはちょっと勇気がいります。

ゴールドなので(金箔は装飾のためだけでなく、音量や音色にも深く関係しています) 全体的にもよく鳴り、音量も大きいため、例えば部屋のドアを閉めて弾いていても、 「ドアが開いているのかと思った」と言われてしまうようなこともあります。

この楽器に出会うまで、23号をメインに弾いていたため、初めは慣れなくて弾きにくい、と感じていましたが、 今ではこの楽器でしか出せない音色・音量にすっかり虜になっています。
クリアな音が出せるので、ポピュラーにも適していると思います。

思い通りの音を出すまでには結構弾かないといけないため、飼いならしにくい「じゃじゃ馬」印象があり、 慣れない人には「弾きにくい印象」を与えてしまうため、ライオンヒーリーの別モデルを弾きなれている人にでさえ、 敬遠されてしまったりしますが、弾き慣れると相当に面白い、弾き応え充分な楽器です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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